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[社説]「駆け込み」今回もその場しのぎ

[社説]「駆け込み」今回もその場しのぎ

Posted June. 24, 2002 08:47,   

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北京の韓国大使館領事部に駆け込んだ北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)からの脱出住民と中国警備員に連行されたウォン某さんら24人が、第三国を経由してきょう韓国入りする。当事者にとっても幸いなことだ。中国は、きのうの共同発表で「今後、脱出住民の問題を国際法、国内法、人道主義の原則によって取り扱う」と明らかにした。今後中国内の脱出住民に対する北朝鮮への強制送還などの非人道的な事態がなくなることを期待する。

これにより韓中両国は、先月13日に中国の警備員が北京の韓国大使館領事部に立ち入り、韓国の外交官にけがを負わせて脱出住民ウォン某さんを強制連行した事件の妥協点をみい出した。これは、脱出住民問題で韓中関係がこれ以上悪化してはならないという共通の認識によるものだ。

しかし、今回の妥協が結局はその場しのぎの策に過ぎず、根本的な問題は依然として残っている。まず、中国警備員の韓国公館への無断進入や外交官への暴行の件については、中国は非常に微弱な水準の「遺憾」表明にとどまった。数日前に、駐韓中国大使もこの事件について、韓国マスコミに検証されない一方的な主張をして非難を受けただけに、中国は丁重に謝罪するのが望ましい。

韓国政府に対しても、重大な外交主権侵害をこのようにうやむやしていいものか、問わずにはいられない。このようなその場しのぎの処方では、国交正常化10年目を迎える韓中関係の真の発展は期待しがたいだろう。

より大きな問題は、韓中両国が、脱出住民の問題への本質的な解決案の模索に失敗したという点だ。在中脱出住民の外国公館への駆け込みは、今後いくらでも発生する可能性がある。ことが起こるたびに、両国は事案別に協議を経て処理するというのだろうか。国際社会が注目する脱出住民問題に対し、中国は消極的な姿勢を転換し、韓国とともに根源的な対策づくりに乗り出すことをいま一度求める。