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漂流中の米経済、出口見えず

Posted June. 17, 2002 22:49,   

米経済も「出口のも見えないジレンマ」に陥る兆しを見せている。

ポール・オニール米財務長官は15日、先進7カ国(G7)蔵相会議で、「米国は世界経済回復の牽引役を果たし、年末までに3〜3.5%と安定的に成長するだろう」と自信を示した。これに続き、オニール長官は「強いドル政策は引き続き維持され、米経済に肯定的な影響を及ぼす」と強調した。

しかし、これまでオニール長官が強いドル政策の維持を数回にわたり明らかにしたにもかかわらず、ドルの価値は15年ぶりの最低値だ。一部では今年末までドルは下落し続き、1ユーロ96セント、1ドル115円まで下がるという見方もある。

米経済回復を支えてきた消費活動もい縮するにつれ、回復した経済がまた直ちに低迷に陥る「二重景気低迷(Double Dip)論が再び浮上している。小売り販売は5月になって4月(1.2%)より大きく減少して−0・9%となった。これは去年11月以来の最大減少幅で、直ちに証券市場にショックを与えた。

ニューヨーク株式市場は、14日、一時的にスタンダード&プアース(S&P)指数が前日より27.93ポイントも低い981.63ポイントになり、同時多発テロ以来の最低値を記録した。

20日発表される第1四半期経常収支の赤字規模も1000億ドルを超え、国内総生産(GDP)に占める経常収支の比重が4%にのぼるものとみられる。これもやはり3四半期ぶりの最高値だ。

それだけでなく米議会予算局は、今年の財政赤字も1000億ドルを超えるという展望を示している。このように経済にかげりが射しているが、対応策は見当たらない。

ニューヨークタイムスは17日、最も重要な政策手段の金利について、アラン・グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は全く手を出せない状態だと報じた。

FRBは3月、政策基調を「景気浮揚」から「中立」に転換した。景気が回復気味を示しているので金利をさらに引き下げる必要があるという判断からだった。米連邦基金の金利は1.75%で、40年ぶりの最低水準である。



金正眼 credo@donga.com