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チャ・インピョ好演「アイアンファーム」

Posted April. 16, 2002 09:56,   

「ジェントルマン」ことチャ・インピョ(35)ほど、テレビと映画の中で極端な役を演じた役者がほかにあっただろうか。昨年、MBCテレビで演技大賞を受賞するほどの人気ぶりだったが、映画では出演作の「チャン」「ドクターK」が、相次いで失敗に終わっている。

19日、封切られる「アイアンファーム」は、チャ・インピョのこうした成績表に「ターニングポイント」になるものと期待される映画。ドラマと違って、映画では終始一貫、肩に力の入ったキャラクターを演じたチャ・インピョは、この映画の中で、田舎っぺの純情男という役柄に徹底してなりきることで、イメージチェンジを狙った。

彼が演じた「アイアンファーム」というキャラクターは次のとおり。5年前、米国で焼酎カクテルバーを開くと、自分の元を離れロサンゼルスに来た恋人のジニー(キム・ユンジン)を探し、たった一人で太平洋を渡ったアイアンファーム。恋人が恋しくなるたびに、電気炊飯器に両手を交互に入れたり出したりの修行技(鉄砂掌、アイアンファーム)で苦しみを紛らす。ところが、米国のありとあらゆる焼酎カクテルバーを探したすえに探し当てたジニーは、金と米国市民権を持つ在米事業家のアドマラル(チャーリー・チョン)にぞっこん。アイアンは絶望のすえに、再びジニーに「アタック」する。ここまでくると「アイアンファーム」は、米国を背景にした純情男の「恋人探して三万里」を、コミックタッチで描いたようにみえる。しかし「アイアンファーム」は、一人の男が、どたばたを繰り返しながら恋人に求愛する過程の中に、米国市民権を持つ男と生粋の韓国からきた男の間の対決様相を骨組みに立てて、ペーソスを醸し出している。「韓国と韓国の名前は、米国行きの飛行機の中のトイレに捨ててきた」とするアイアンファーム。しかし、彼の求愛は依然として韓国スタイルであり、米国市民権を持つ男を憎みながらも、同時に永住権を得ようと必死になる。

英語よりハングル看板の方が多い、ロサンジゼルスのコリアタウン付近で撮影をしたのは、このように終始一貫、二律背反的な三角関係を、一層端的に表している。昨年末からロサンゼルスに滞在して撮影に臨んだチャ・インピョは「ロサンゼルスならではのコンセプト」と説明した。

ところが「アイアンファーム」は、何より主役を演じたチャ・インピョの、プライベートなストーリーとよく似ていることから、説得力を倍増させている。5年間の米国留学と、ニューヨークでのサラリーマン生活に見切りをつけ、自らの「才能」を探すために帰国、軍隊にまで行ったチャ・インピョ、そして恋人を探そうと、5年間電気炊飯器に手を突っ込みながら英語の勉強に打ち込んだアイアンファーム…。やると決めたことに全力投球するのは、スクリーンの中と外が同じだ。

チャ・インピョの好演に、パートナーのドンソク役を演じたパク・クァンジョンが「Today English Become(今日は英語がすらすら出てくるぜ)」といった「コングリシ、韓国語製英語」で映画に笑いを加えた。「薔薇色の人生」(1993年)「お祭り」(1996年)のシナリオを書いたユック・サンヒョ(39)監督の長編デビュー作。15歳以上、19日封切り。



李承憲 ddr@donga.com