イスラエルとパレスチナ間の紛争介入に消極的だった米国が、ブッシュ大統領の記者会見(3日)を機に積極的な介入政策に転じたものの、紛争当事国はもとより、アラブ諸国からは徹底して無視されている。
ニューヨークタイムズは9日、社説の中で「イスラエルのシャロン首相がパレスチナ自治区からの即時撤退を求めた米国の要求を拒んだのは、引続きイスラエルに友好的な政策を打ち出してきたブッシュ大統領と米国に対する侮辱」であると批判した。
同日、ワシントンポスト紙も社説を通じて「パレスチナ自治政府のアラファト議長も『自爆テロ犯を殉教者ではなく、殺人者として非難すべきだ』とする米国の要求を拒否し、米国が全ての関係諸国から、公然たる挑戦を受けている」と報じた。
エジプト・カイロで4日開かれたアラブ連盟の外相会議でも、アラブ諸国はかえって自爆テロを「抵抗の持続」として歓迎するとの声明を発表した。
▲アラブ諸国が米国に背を向ける理由〓アラブ諸国が、このように米国の提案に冷たい反応を見せているのは、米国が親イスラエル政策を放棄していないとみているため。ブッシュ大統領の指示で中東諸国を歴訪中のパウエル国務長官が8日、最初に訪れたモロッコのムハマド6世国王から「なぜここに来たのか」と詰問された。一日も早くエルサレムを訪問して、イスラエル軍の撤退要求を貫かずに、紛争当事国でもないモロッコを真っ先に訪れるとはどういうことかという意味だ。
アラブ諸国は、ブッシュ大統領がイスラエル軍の撤退を要求しながらも、パウエル国務長官を5日も経ってから中東に派遣したこと、さらにパウエル国務長官が11日夜にようやくエルサレムに到着する予定であることなどを理由に挙げ、米国がイスラエルに軍事作戦のための時間的な余裕を与えていると非難している。
これと関連して、米国の日刊紙ボストングローブは9日、とく名を求めた政府高官の言葉を引用して「ブッシュ大統領は個人的なチャンネルを通じて、イスラエル軍の段階的な撤退を認めるとの意向を、イスラエルのシャロン首相に伝えた」と報じた。
ワシントンポストのコラムニスト、デービッド・ブロードは、根本的に「ブッシュ大統領が、物事を善悪で二分化する道徳的絶対主義を信奉していることから、イスラエルとパレスチナ間の紛争のように、善悪の見分けがつけ難い事態への介入を渋っていることが、中東政策の漂流の原因である」と指摘した。
▲パウエル「アラファトに会う用意あり」〓一方、パウエル米国務長官は9日、アラブ諸国の反発を意識し、パレスチナ自治政府のアラファト議長に会いたいとの意向を明らかにした。これまでパウエル国務長官は、米国が堅持してきた「先休戦後和平交渉」の路線を変えて「すぐにでも和平交渉に取りかかる意向がある」と述べ、調停への強い意志をのぞかせた。
この日、イスラエル北部のハイファ近郊にあるキブツのヤグルでバスが爆発、少なくとも10人が死亡、およそ20人がけがをするなど、混乱が続いている。
洪銀澤 euntack@donga.com






