史上最悪の黄砂が全国を覆っても政府は手をこまねいたまま見ているから、一体どういうわけか分からない。
全国民が苦められ、小学校は休校し、航空会社、産業現場、農家での被害が相次ぐ「国家的災難」が発生したにもかかわらず、無策のまま傍観するような政府ならば存在する理由がない。
政府がきちんと動いているならば、日頃ありふれた関連省庁対策会議でも開くべきではなかろうか。
黄砂は、原因糾明と実態分析にとどまってはならないほど、すでに深刻な状況だ。黄砂がいつまで持続するものかに対する見通しを示し、黄砂に含まれた微細ホコリの濃度を発表する「天気予報式の対応」は解決策ではない。
今回の黄砂に含まれた微細ホコリの濃度は、年平均環境基準の30倍にまで急騰したという。黄砂が単なるホコリの風だとしても、耐え難い境地になったのだ。
中国の産業化が進み、このところは酸化窒素、二酸化いおうのような汚染物質が大量に混ざって飛来してくるというのが専門家の指摘だ。
「なるべく室外活動を自制せよ」という消極的勧告などでは、これ以上国民の健康を守れない。
政府は黄砂被害を減らすための総合策を講じなければならない。
今春だけでも、大規模な黄砂が3〜4回さらに発生し、少なくとも半月は被害を受けるはずだとの見通しが中国側から出ているから、急ぐべきだ。
国民が安心して呼吸できるようにするのは政府の重要な任務だ。中国政府にも対策作りを積極的に促さなければならない。抜本的な黄砂対策は、中国と内モンゴルの砂漠化を防ぐことで、その方法は防風林の造成など、相当な時間がかかるものだという点を知らないわけではない。
中国に韓国の黄砂被害を説明し、対策を促せば、それだけ造林事業が早期実現されるのではないだろうか。とりわけ、汚染物質を減らす問題は、中国側が誠意を示せば、いくらでも解決できるものと思われる。
黄砂問題の解決に向けて、国連環境計画(UNEP)など国際機関に積極的な介入を要請するのも政府が選択できる方策だ。