
ショートトラック女子1000mの決勝。高基玄(コ・ギヒョン、16、モクイル高)には「2人の」ヤンヤン(中国)が決勝に上がったのが負担となった。
ショートトラックでは同じ国の選手2人が同じレースを走るのが絶対有利で、2人が相手選手の進路をふさぐ「合同作戦」を繰り広げることができるからだ。
これを証明するかのように、中国のヤンヤンAとヤンヤンSは7周を残したところで、1、2位をキープし、高基玄を牽制し始めた。ヤンヤンAが内側、ヤンヤンSが外側を譲らず、高基玄は追い越しを試みたがなかなか難しかった。
こういう様相のレースは3周を残した時点まで続いたが、2周を残して高基玄が勝負をかけた。曲線路線で2位のヤンヤンSの内側から追い越しに成功したのだ。最後の1周を残し、高基玄はヤンヤンAを追い越すため最後までがんばったが、ヤンヤンAはすき間を見せなかった。結局2位にゴールイン。
だが、試合を終えた高基玄の顔は明るかった。金メダルをとれなかったもどかしさより、銀メダルをとった誇らしさが大きかったからだった。彼女はまるで優勝でもしたかのように韓国の国旗を持ってリンクをひとまわりし、授賞式ではどの選手よりも明るい笑顔で幸せな顔を見せた。
今回のショートトラック種目で、韓国選手団が獲得したメダルは全部で4個。この中で、高基玄は金メダル1個(女子1500m)と銀メダル1個を獲得、韓国女子ショートトラックの「希望」として浮上した。
オリンピックを3ヵ月前に控え、練習中に右手を骨折し、高地帯適応訓練で毎日鼻血を流した厳しい状況の中でも、年齢に合わない強い勝負根性と飛び抜けた技量で最高の成績をおさめた。
はにかみ屋の高基玄は「銀メダルもいい成績でしょう。今回の大会でお姉さんとお兄さんが沢山助けてくれて良い成績を収めることができた。不足している面を補って立派な選手になる」と、明るい笑顔をみせた。
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