「これ以上運の良い人がまたいるのだろうか」
17日行われたショートトラック・男子1000メートル決勝で金メタルに輝いたオーストラリアのスティーブン・ブラッドバリー(29)は、誰も金メダルをとるとは想像できなかった人物。彼は五輪と世界選手権の個人戦で、たった1回も5位以内に入ったことがない。ただ、94年のリレハンメル五輪でオーストラリアチームの5000メートルリレー選手で出場、団体で銅メダルを取ったのが最高成績だった。
しかし、今回の大会で「幸運の女神」は初めから彼の味方になってくれた。それも1回でなく、3回も…。
信じられない幸運のレースは準々決勝から始まった。準々決勝でレース途中転倒したが、カナダの選手、マークが反則で失格となったため、準決勝に進み、準決勝ではキム・ドンソン(韓国)につづき、マチュー・トュルコット(カナダ)、李佳軍(中国)まで転倒、このため彼が1位となった。この日の幸運の絶頂は決勝戦。ブラッドバリーは5人の選手がいた決勝で最下位を走り、前の4人が次々と転倒したため、優雅に金メダルを獲得した。
彼は観衆のやゆにも屈せず、両手をあげ、ガッツポーズを繰り返した。彼は「私も自分が運の良い人間だと思う。神さまがいつかはあなたの味方になってくれるだろう。しかし、今日は私の日だ。」と話し、笑顔を振りまいた。
金相洙 ssoo@donga.com