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「不法代理母出産を煽る恐れ」 医協の倫理指針に非難の声

「不法代理母出産を煽る恐れ」 医協の倫理指針に非難の声

Posted November. 17, 2001 12:13,   

大韓医師協会(医協)が15日発表した医師倫理指針に盛込まれた内容のうち、中絶や金銭取引を伴わない代理母出産を認める条項などは、現行法や現実を無視したまま医師側の立場だけを考慮したものであるという非難を受けている。

医協は、医師に必要とされる最小限のガイドラインを示した「内部指針」だと主張しているものの、その性格上「内規」に近いことから、より慎重に決めるべきであったとする指摘が多い。また、医協の主張どおり中絶など不法医療行為が現実的に蔓延して、これを公論化する必要があったとすれば、指針を通して意見を伝えるよりは、行政や国会を通じた立法化に乗り出すべきだったとの声もあがっている。

崔載千(チェ・ジェチョン)弁護士は「医師の治療行為一つ一つが国民に直接又間接的に影響を大きく与えるだけに、医師倫理指針を見直す際には、法律または社会現実と衝突する危険性はないかを十分検討すべきだ」と述べた。

とりわけ、刑法上の規制条項はないものの、民法上母権が代理母の方に移る「代理母出産認定」は、母権紛争を煽ったとする指摘もある。さらに、最近2〜3年間において、親戚や姻戚に代って貧しい女性や中国同胞(朝鮮族)などが、カネ目当てに代理母を名乗り出る事例が増えており「非人道的行為」との主張が取りざたされている。

現行の家族法は「出産した女性に母権がある」と明示しており、法律的な母権は代理母にある。ところが代理母出産の場合、依頼者の要求によって行われたため、子どもは依頼者が養育することになり、母権紛争の可能性を孕んでいる。

申鉉昊(シン・ヒョンホ)弁護士は「試験管受精を経た代理母施術のうちの30%は、朝鮮族の女性を対象に行われたことが分かった」として「表沙汰になったことはないが、生まれた赤ん坊が奇形児の場合、代理母が出産を前提にしていたカネを受取れなかったり、赤ん坊の養育を引き受けざるをえない状況も発生し兼ねない」として、懸念を示した。

全国の不妊夫婦は、概ね100万組。このうち、子宮の異常から妊娠が不可能な場合、唯一頼れるのは代理母だ。代理母による出産件数は、正確な統計はないものの不妊専門病院ごとに、1年に少ない場合は3〜4件、多い場合は10件と、全国的に70〜80件余りが行われているものと見られる。

ソウル大医科大学の金石鉉(キム・ソキョン)教授は「医師倫理指針どおり現実を認めて代価性の代理母を禁じても、不妊夫婦は外国で代理母を選択できる」としながら「倫理指針の制定は、宗教界など社会各界の共感を基にして現行法の改正作業とともに行われなければならない」と語った。



李浩甲 gdt@donga.com