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[オピニオン]外交通商部の予期された事故

[オピニオン]外交通商部の予期された事故

Posted November. 11, 2001 22:01,   

中国当局の韓国人処刑事件で、国の威信に傷をつけた外交通商部(外交部)が、領事業務を全面的に改善するという。しかし、領事業務が問題の本質なのだろうか。考え違いにも程があると言うしかない。

結論から言って、外交部の当面の問題は、国民に謝罪して外交官および関係者を懲戒処分にしたからといって、また、総領事および外交官をいくらか増やしたからといって、解決される性質のものではない。大改革をしない限り、国家の威信や国民のプライドに傷をつける失敗や事故は今後も続くだろう。

外交部では、ハードウェア、ソフトウェアのどちらも正常に機能していない。他国はコンピュータや電子装備を備え、外交舞台を飛び回っているのに、韓国は未だに小銃を持ってうろうろしているのが現状だ。そうするうちに、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約、サンマ漁問題、そして数日前には中国当局の韓国人処刑問題で、周辺4大国から「頬」をぶたれるという侮辱を受けた。

今回の韓国人処刑事件は、韓国外交の現状を象徴的に表わすいい例だ。「当初は、問題の文書が見つからなかったものの、再び確認してみたら文書2件のうち1件が確認された。もう1件の死刑判決文は、ファックス受信記録のみがあって、文書受信の如何は確認されていない」という外交部側の釈明は、まるでコメディーのセリフのように聞こえる。やるせない思いを禁じ得ない。

欧米各国は、外交文書をデジタル資料として蓄積している。各国に駐在する大使館は、資料を本国に蓄積しておいて、必要な時にはいつでもコンピュータを活用する。日常の業務支持や報告は、大使館と本部間で、秘密電算連絡網を通じて行われる。外交文書の綴りは、もはや骨董品も同様で、郵便物のように行き交った外交袋はもはや姿を消した。

韓国では、問題を起こした瀋陽(シンヨウ)領事事務所のように、今でも大部分の大使館や領事館が電算システムをろくに備えていない。文書をいちいち綴らなければならず、煤けた文書の綴じを引っ掻き回さなければならないのだ。そんな状態なので、当初、中国側から送られた文書を探せず「通報を受けたことはない」ときっぱりと言い切ったものの、数時間後には通報を受けていた事実を確認し「あっ、私たちのミスだった」という具合に頭を下げるという恥じをかいたのだ。

先端装備が備わっていないなら、努力で補わなければならない。しかし、人手不足は深刻だ。

91年に1730人だった外交通商部の定員は、10年が過ぎた現在、むしろ1524人にまで減った。予算も現政府が発足する前の97年には、政府全体予算の0.73%であったのが、今年は0.6%水準に低下した。反面、外交業務はかなり増加した。冷戦時代は欧米と途上国の外交にのみに専念していればよかったが、現在は、東ヨーロッパ圏が全て韓国の外交圏内に入った。政治、軍事、安保問題だけでなく、直接関係のない全世界的な問題についても主張しなければならない。外交業務の質、量、範囲が過去とは比べものにならないのだ。

よって、ソフトウェアと言える外交官個々人の精鋭化は、より切迫した課題となっている。現実はどうか。外交部の地域主義、縁故主義は現政権に入ってさらにひどくなった。ある長官は、与党の人事要求を聞き入れなかったとして、一日にして「落馬」したという。そのような状態で、外交公務員達の精鋭化が実現できるのだろうか。保身主義と機会主義、コネがありと目敏い人が大手を振ってまかり通る外交組織の士気と結集力は、日に日に低下している。

外交部が、このような状態にまで落ちぶれた理由には、何よりも現政府の責任が大きい。南北関係にのみ外交力を集中させたことにより、急変する国際舞台の外交の現実を十分に把握できなかったのだ。小さな政府を作ると言って、無条件に組織縮小の「刀」を掲げた。米国はこの10年の間、約2000人の外交官を増員した。日本は数回にわたる政府組織の縮小作業にもかかわらず、外交官だけは毎年数十人ずつ増やし、外交官の総数が韓国の3倍を超える約5000人にのぼる。韓国の外交部のみが縮小したわけだ。そのために外交機能がめっきり低下し、外交戦略の不在と外交力の空洞化状態を招いたのだ。

このような状況下で、総領事をいくつか増やしただけで、問題が解決できるのだろうか。外交部のハードウェアとソフトウェアを全面改革する手術が必要なのである。

ナム・チャンス(論説委員)



chansoon@donga.com