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[オピニオン]北朝鮮の危険な「対話拒否」

[オピニオン]北朝鮮の危険な「対話拒否」

Posted November. 09, 2001 10:00,   

米国政府が、6月に対話の意思を公式表明して以来、ひき続き朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)側に対話に臨むよう求めているにもかかわらず、北朝鮮はこれまで「NO」という立場を明らかにしてきた。米国の対話申し入れに対して、北朝鮮は6月以降、次のような反応を示してきた。

第一に、米国は、核、ミサイル、通常兵力を議題として提起しているが、優先的に協議すべきことは電力を保証する問題だ。第二に、通常兵力の問題を提起することは、北朝鮮を武装解除させることを意味し、これには米軍がまず撤退しなければならない。第三に、米国は北朝鮮の自主権を重んじなければならず、北朝鮮の圧殺を図る敵対政策を止めなければならない。第四に、すでに両国が合意したことを実践に移すことから、協議を始めなければならない。第五に、米国は、少なくともクリントン前政権末期に米朝が合意した水準にまで回帰しなければならない。

北朝鮮はなぜ米朝対話に消極的なのか。北朝鮮にも考えがあるのだろう。まず、両国の懸案に対するブッシュ政権の強力な立場に鑑みて、北朝鮮が望む結果が期待できないと考えているのだろう。北朝鮮は、米同時多発テロ事件以後、米国の立場がより強硬となり、北朝鮮問題への優先順位が下がったと見るかもしれない。また、北朝鮮は、国際環境が自国に極めて不利だと認識していることだろう。北朝鮮とロシア、中国の首脳会談が、対米対話再開に向けた根回しの側面があったなら、ロシアと中国がテロ事件以後、対米協調姿勢を鮮明にしたことで、そのような根回し作業によって確保された北朝鮮の立場が弱まったものと思われる。

さらに、米国のアフガニスタンに対する軍事攻撃で、北朝鮮は深刻な安保上の懸念と警戒心を抱くようになった。タリバーン政権攻撃の正当化のために使われた論理が、いつか北朝鮮にも適用されるかもしれないという危機感を抱いているだろう。安保危機感の高まりは、国内結束の強化を必要とし、政策決定過程で教条的反米強硬路線が激化して、穏健路線の対米交渉の意志を圧倒するようになることを意味する。

北朝鮮は、政策の予測不可能性、不安定性、過激性、非合理性を呈することが、交渉戦略上、米国に対する效果的な圧迫手段だという認識を持っている。北朝鮮は、米国からの代償、なかでも米国の立場の修正など、実質的な前提条件を求めなければならないと考えているだろう。何よりも2000年10月の米朝共同声明にある核心的合意事項に対する米国政府の一定の了解を事前に引き出さなければならないということだ。

北朝鮮の対応が遅れるのは、政策決定過程の硬直性にも原因がある。対米戦略の再検討という案件の重要性も慎重さを要するが、金正日(キム・ジョンイル)総書記を名指しするブッシュ米大統領の懐疑的な発言が、北朝鮮の硬直性を高めた。北朝鮮のマスメディアによるブッシュ大統領への非難攻撃の頻度と強度は、ブッシュ大統領の金総書記関連の発言に対する北朝鮮側の憤りの指標であり、そのような発言が、対米政策決定過程に大きな影響を及ぼしたことを示している。

対米テロが多様な分野に広がり、これに対する米国の対応も広がりつつあるなか、速やかな米朝間の交渉が必要だ。理由はともかく、対話への北朝鮮の否定的な態度は、自分自身に不利益をもたらすからだ。米国の対北政策の転換を促している北朝鮮としては、むしろ米国との対話を重ねて妥結案を模索すべきである。

対話が引き続き再開されない状況は、米朝相互の正確な認識と問題解決に欠かせない相互の信頼構築を阻害し、北朝鮮の国際社会への生産的な参加を困難にするだろう。また日本など他国の対北疑惑を増幅させて関係改善にブレーキをかけうる。

米朝は各種チャンネルを利用して、正式会談の早期開催に向けた準備作業を続け、遅くとも来年春までには本会談を軌道に乗せることが望ましい。いったん対話が始まっても、会談は長期間にわたって難航が予想されるものの、対話不在状態によって韓半島で危機状況が発生する危険性は減らせる。来年の韓国内の政治日程および対北政策と関連して、予想される深刻な政治、経済、社会的危機状況を防ぐ「予防外交」の意味でも、米朝間の真剣な対話は切実なのだ。

金英鎮(キム・ヨンシン)米ジョージ・ワシントン大学名誉教授(国際政治学)