
時は2002年。デビュー直後から音楽界を席巻した怪物新人グループがいた。ヨングレコード所属の男女混成グループ「トライアングル」(姜棟元、朴智賢、嚴泰九)。そして、そのトライアングルに押され、万年2位の座に甘んじていたのが、「バラードの王子」と呼ばれた「チェ・ソンゴン」(オ・ジョンセ)だ。彼らは不慮の事件をきっかけに音楽界を去ることになる――。
来月3日公開の映画「ワイルド・シング」は、こうした設定を基にしたコメディー作品だ。映画は、トライアングルとチェ・ソンゴンが20年余りを経て訪れた再起のチャンスをつかむため奮闘する姿を描く。物語そのものの力というより、俳優たちのエネルギーで引っ張っていく作品で、「とにかく笑わせる」という勢いは相当なもので、随所で爆笑を誘う。
最大のコミカルポイントは、「意外な組み合わせ」と「ギャップ」にある。内向的なイメージで知られる俳優3人と、とぼけた演技の名手オ・ジョンセの真剣なパフォーマンスが、予想外の面白さを生み出す。中でも最も注目を集めたのが俳優の姜棟元(カン・ドンウォン)だ。トライアングルのメインダンサー兼リーダー、ファン・ヒョヌ役を演じた姜棟元は、今回の作品のために毎日4時間ずつダンスを学んだという。
19日、ソウル鍾路(チョンノ)区のカフェでインタビューに応じた姜棟元は、「当時のダンサーたちに恥をかかせないようにという思いで臨んだが、とても満足している」と語った。実際、ヒップホップをよく聴くわけでもなく、ダンス経験もほとんどなかったという。ところが、一昨年に制作ミーティングのため米国に滞在していた際に脚本を受け取り、ヒョヌ役をこなすため、米ブレークダンスチーム「JUiCE」に連絡して練習を始めた。
「この作品は、努力したことがそのまま表れる映画なんです。ヒップホップに慣れていなかったので、リズム感を持って歩くところから始めました。でも親しい兄貴分から、僕が踊るのを見て、『どうしたんだ?最近金に困ってんのか?』って言われたんですよ(笑)。僕は褒め言葉として受け取りました」
今回の作品は、姜棟元にとってまた一つの「意外なフィルモグラフィー」として残りそうだ。姜棟元は、「超能力者」や「華麗なるリベンジ」など、これまでも意外性のある選択を続けてきた。作品ごとに「なぜその役をやるのか」と聞かれてきたという。実際、最近作には興行成績が振るわなかった作品も少なくない。それでも彼は「自分が読んで脚本が面白く、役柄が明確なら飛び込んだ」とし、今回の作品についても「B級感覚が良かった」と評した。
姜棟元の言葉通り、「ワイルド・シング」は終始軽快なトーンを貫いている。重要なのは、物語の粗さを無理に取り繕おうとしていない点だ。映画はむしろ、誇張され古臭さすら感じさせる演出を前面に押し出し、B級コメディーのテイストを最後まで貫く。2番手コンプレックスを抱えるラッパー、サング役の嚴泰九(オム・テグ)や、裕福なマダムになったセンターのドミ役の朴智賢(パク・ジヒョン)も徹底して体を張った演技を見せる。
さらに、オ・ジョンセの熱演がコメディーの頂点を作り上げる。オ・ジョンセが演じるチェ・ソンゴンは、かつて「ミルキーフェースのバラーダー」と呼ばれたバラード界の王子。しかし不祥事をきっかけに音楽界を引退し、現在は山奥で狩猟生活を送っている。荒々しい山暮らしの風貌のまま、しっとりした美声でヒット曲「君が好き」を歌う場面は、抗えない笑いを誘う代表的シーンだ。
劇中最大のキラーコンテンツであるトライアングルの楽曲「Love is」と、チェ・ソンゴンの「君が好き」は、事前に聴いておくことを勧めたい。映画を見終えた後には、思わず口ずさんでいるかもしれない。
キム・テオン記者 beborn@donga.com






