企業による大卒者の新規採用が急激に減り、新卒者の大半が浪人として社会へ第一歩を踏み出すことになるかもしれない。こうした高学歴者の「失業大乱」が社会不安につながるのではないかと、懸念される。下半期に大卒者を選抜した民間企業や国営企業の採用試験では100倍を超える高い競争倍率を記録して、大卒者の職探しが「砂浜で落ちた針を探す」ほど厳しい状況だ。
政府の基本的な役目は国民の厚生福祉の増進を図るものであり、なかにも国民に職場を与えることはその軸をなすはずなのだが、経済および教育政策の失敗は高学歴者の失業の悪化を招いてしまった。
以前からも高学歴者に大規模に職場を与えたのは大企業だった。ところが、現政府は発足当初新しい事業への大企業の参入を食い止め、ベンチャー企業に経済の活路を見いだそうとした。しかしベンチャー企業は、間もないうちにバブルがはじけ採用を増やすどころか、人減らしに踏み切ることになった。これに対し、政府は遅ればせながら大企業の出資総額制限の緩和を打ち出すなど振り出しに戻ろうとしているが、企業として新規事業を起こすには世界経済をはじめとする周辺環境が悪化している。
産業活動への支援はおろか、厳しい規制のため、企業が競って中国など東南アジアへ生産基地を移すことも失業の悪化につながる主な原因になった。地価や人件費が安い地域へ生産基地を移そうとする大勢を止めるのは困難だが、工場の海外移転が増える分、国内の職場が減るのは避けられない。最近、多くの韓国企業が生産基地の移転先としている中国は外資系企業に対し、地価・税金・電力などで全幅的な支援を実施している。大胆な規制緩和を通じて、企業活動をしやすい環境を提供してこそ、企業としても国内に職場を創り出すことができる。
大学教育と企業で求められるスキルの質的なギャップも深刻だ。大学定員が急激に増え、高卒者のほとんどが大学に入れるようになったものの、大学は企業が求めている専門人材の充分に供給できていない。副首相を長官とする教育人的資源部が発足したが、人材の養成と教育政策の調和を総括した人材需給対策は打ち出せないままだ。
政府は新卒者(4年制大学は25万人、専門大学は22万人)や「就職浪人」など70万人の若者に職場を提供することを最優先課題に据えるべきだ。高等教育を受けた多くの若者達が人生の新しい出発を失業者として始めるような社会は決して健康でない。






