
物価高の長期化で、今年第1四半期(1~3月)の家計実質所得増加率が0%台にとどまったことが分かった。国家データ処によると、第1四半期の1世帯当たりの月平均所得は548万1000ウォンで、1年前より2.4%増えたが、物価上昇分を差し引いた実質所得の増加率は0.4%にすぎなかった。数字上は給与袋が厚くなったように見えても、急騰する生活物価が増加分をそっくりのみ込み、家計の実際の購買力は足踏み状態だったわけだ。
所得は事実上横ばいなのに対し、物価が大きく上昇したことで、支出は所得以上に増えた。第1四半期の1世帯当たりの月平均消費支出は1年前より5.3%増加した。消費支出の増加率が所得増加率を上回ったのは、2024年第2四半期(4~6月)以来1年9カ月ぶりだ。浪費が増えたからではなく、食料品や生活必需品の価格が急騰したためと解釈される。高物価は、低所得層ほど負担が重くなる残酷な「逆進性」を持つ。所得下位20%層の消費支出は1年前より7.3%増え、赤字構造が深刻化した。住居費や生活費支出の割合が高い低所得層が、買い物かご物価急騰の直撃を受け、厳しい苦痛にさらされている。
問題は、今後も物価を刺激する不安要因が内外に山積している点だ。28日、韓国銀行は今年の年間消費者物価の上昇率見通しを2.7%と示し、3カ月前より0.5ポイント引き上げた。イラン戦争による原油高の負担は一段と強まり、1ドル=1500ウォン台まで上昇したウォン安ドル高は輸入物価を押し上げている。先月の国内生産者物価は前月比2.5%上昇し、通貨危機以降28年ぶりの大幅上昇となったが、数カ月の時差を経て消費者物価へ反映される見通しだ。三星(サムスン)電子など大企業による大規模成果給支給も、市場へ大量の流動性を供給し、物価を刺激する要因になりそうだ。
物価圧力の高まりなどを理由に、韓国銀行は28日、年内の基準金利引き上げ方針を正式化した。経済の基礎体力を弱める物価高ショックに備え、物価安定を最優先に据える金融政策はもはや避けられない。政府は物価不安を拡大させない方向で財政政策を慎重に運営するとともに、物価高へ無防備にさらされている脆弱階層への打撃を最小化する対策を急ぎ整えるべきだ。家計や企業など全ての経済主体も、当面続く高コスト構造を直視し、苦痛の分担と体質改善へ力を合わせる必要がある。






