米国が対テロ戦争を契機にロシア及び中国と協調関係を構築したが、ミサイル防衛体制(MD)の構築と弾道弾邀撃ミサイル(ABM)制限条約の破棄問題など、軍事的な争点においては依然として見解の相違が解消できていない。
米ワシントンポスト紙は21日、ブッシュ米大統領が中国の上海で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会合でABM条約の破棄を再度促したが、プーチンロシア大統領と江沢民国家主席の反対で進展は見られなかった、と報じた。
ブッシュ大統領が「冷戦時代の落とし子」のABM条約の破棄を主張する根拠は、対テロ戦など21世紀の新たな戦争状況に直面して、いわゆる「ならず者国家(rogue nations)」のミサイル脅威に対応するためには、MD体制の構築が欠かせないということ。
ブッシュ大統領は、プーチン大統領との会談で、米国がロシアとABM条約問題に対する妥協点を見出せなかった場合は条約から脱退しMD体制の推進を強行するしかない、との立場を通報した模様だ。
これに対してプーチン大統領と江主席は、ABM条約の破棄を主張する米国の立場に反対することを再確認した。プーチン大統領は「ABM条約は世界の安定のための重要な要素」だと反発して、ブッシュ大統領と見解の相違があることを明確にした。
しかし、プーチン大統領は首脳会談後の合同記者会見で、「ABM条約問題で一部の進展があった」とし、「11月12〜14日、ワシントンとテキサスで開かれる首脳会談で米国側と話し合う準備ができている」と述べた。
一方、ブッシュ大統領は、プーチン大統領及び江主席との個別首脳会談で、対テロ戦線構築のための国際連帯レベルの支持と協力を引き出し、これらの国々との関係において新しい転機を設けた。
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