悲劇の帰国船「浮島丸」の沈没による被害者に対する日本地方裁判所の判決は「半分の勝訴」といわざるを得ない。日本が無条件降伏した直後の1945年8月24日、韓国人の強制徴用者数千人を乗せて釜山(プサン)に向かっていた浮島号(4730トン級)が原因不明の爆発で沈没して56年ぶりに言い渡された司法判断である。京都地裁は23日、韓国人生存者15人に対し、日本政府が300万円ずつ、4500万円を支払うよう言い渡した。
この判決の意味は日本政府の責任を時効を正すことなく認めたことにある。裁判所は「日本が強制就労させていたら安全に韓国に帰らせることが法律上当然のことだ」とし、当時の乗船者と日本政府の間で旅客運送契約など、法律関係があったものと判断した。このように、日本の安全義務不履行への認定は類似の様々な訴訟にも影響するものと予想される。
しかし、判決を詳しく分析してみると、様々な問題が見え隠れている。第一に、一見すると強制徴用者に対する日本政府の個人への賠償拒否を覆したかのようにみえるが、そうでもない。今回の判決も日本の賠償責任は65年韓日基本協約に基づいて消滅したと前提し、被害者の「精神的な苦痛に対する慰謝料」で紛らしたことに限界がある。戦後の賠償責任を全面的に認めない日本の姿勢はまったく変わっていないわけである。
第二に、裁判所は日本政府の謝罪は必要でないとしている。当時、日本側がわざと船を爆沈させたと主張している被害者の立場とは程遠い判決である。
第三に、その慰謝料も生存者に対してのみ支給し、残りの死亡者や遺族に対しては訴えを退けたことに問題がある。乗船者の名簿を確認できないとの理由を挙げているが、これは見せかけの判決といわざるを得ない。
第四に、船の爆発と沈没の真相は伏せておいたまま下した判決という点も問題である。日本政府は米軍が敷設した機雷が爆発したのが沈没の原因だと主張しているが、原告側が生々しい証言と各種の記録を示しながら、日本当局が故意に爆発させたと主張しているだけに、裁判所は真相を突き止めるべきであった。にも関わらず、真相の究明はないがしろにしたまま、日本政府に曖昧な慰謝料を支払わせることで結論を出してしまった。
また、今度の京都地裁の一部勝訴さえ2審判決でどうなるか不透明である。98年韓国人従軍慰安婦が日本政府を相手取って起こした訴訟の1審でも原告一部勝訴の判決が下されたものの、3月の2審では覆された前例がある。日本が起こした戦争で隣国と他国民に多大な被害を与えていたにも関わらず、50年過ぎてもその責任を負おうとせず、賠償を拒否している日本を今更ながら慨嘆せざるを得ない。






