
1945年の太平洋戦争当時、米国海軍の通訳将校として韓国に来て以来、忠清南道泰安半島(チュンチョンナムド・テアンバンド)に「チョンリポ樹木園」の造成に余生を捧げたミン・ビョンガル(本名、カール・ミラー、81)さんが、癌と闘っている。
チョンリポ樹木園は、79年から泰安郡ソウォン面ウィハン里の海辺で造成が始まり、今では59万4000㎡の敷地に、7000種余りの植物が育っている世界でも稀に見る植物の宝庫。彼は14日「私の生涯をかけた樹木園を、自分の国の韓国人に譲りたい」と語った。
ミンさんが、世界のおよそ60カ国と国内の野山を駆け巡りながら採集した木蓮科400種余りとモチノキ科370種をはじめ、芥子・ホオノキ・椿・オシロイバナなど、その数は数えきれないほど。泰安半島の海岸沿いに造成されたこの樹木園には、会員を除けば一般人の出入りを禁じている。それくらいミンさんは、自分自信よりもこの樹木園を大事にしている。
ミンさんは、「韓国に定着した当初、辛く厳しい生活環境にも関わらず韓国が好きだったのは、前世で私が韓国人だったから」だという。彼は、46年に除隊した後、民間人として米軍政庁の法務部に志願し再び来韓、その後52年から82年まで韓国銀行に勤務した。
彼がチョンリポを初めて知ったのは、偶然当地を訪れた1962年のこと。その後、およそ20万㎡の土地を安値で買取り植物を植えはじめて、今日に至る。
彼は、韓国に対する愛情が深まるにつれ、79年に「ミン・ビョンガル」という名で韓国国籍を取得した。
その彼が、今年初めに直腸がんと肺がん末期という判定を受け、抗がん治療を続けている。彼の最後の願いは、多くの人々がチョンリポ樹木園の後援会に参加することだという。現在、後援者は合わせて470人余り。
▲チョンリポ樹木園のインターネットホームページ(www.chollipo.org)。TEL:041—672—9310
李基鎭 doyoce@donga.com






