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銀行、中小企業向け融資増加

Posted May. 23, 2001 10:32,   

各銀行が中小企業向けの融資に力を入れており、今月に入っては中小企業に対する融資の増加額が家計融資のそれを上回っている銀行も現れた。

銀行としては、わずか2週間前まで、住宅担保融資など小売金融市場に集中し、「企業の資金窓口」としての役割を果たしていない、との批判を受けていたことを考えれば急速な変わりぶりだ。

△中小企業向け貸付けの活性化=今年に入って銀行における中小企業融資(先月対比増減額)は、▽1月が8045億ウォン▽2月はマイナス1034億ウォン▽3月は4700億ウォンと、家計向け貸出しに比べてもやや少なかった。4月に入っては1兆8039億ウォンに増えたが、この数値は各種の税金や配当金など中小企業の融資需要が集中した側面が大きく、銀行の中小企業に対する貸し渋りが解消するまでには至らなかった。

しかし、こうした動向は4月末から変わった。銀行が争って優良中小企業に対する貸出し金利を0.5ー1.0%引き下げるなど、中小企業に対する貸付けを積極的に展開しているのだ。こうした動きを受け今月20日現在、すでに銀行の中小企業に対する貸出し総額が先月1ヵ月間の総額を上回ったものと表れた。

国民(クッミン)、住宅、農協、企業、新韓(シンハン)銀行の5つの都市銀行の貸出し推移を増減額基準で集計した結果、中小企業に対する貸出しは1兆1434億ウォンとなり、家計向け貸出し(4679億ウォン)を2倍以上上回った。2ー4月中には家計向け貸出しの増加額が多かった。

△変化の背景=銀行の貸出し政策が変化した背景には、預金は増加しているものの、適当な資金運用手段がないことがあげられる。先月にも、それぞれの銀行には合わせて8兆5000億ウォンの預金が受け付けられ、今月にも3兆ウォン余りの預金を受け付けているが、家計や個人に対する貸出しは既に飽和状態。

都市銀行の関係者は「小売金融の方は、これ以上市場がない状態」だとし、「預金をこのまま放置するわけにはいかないので、優良中小企業を中心に貸出しを拡大している」と話した。

しかし、これは銀行にとっても新たな不良債権を抱える要因にもなりかねない。3月末を基準とした場合、金利は8.8%と高い反面、滞納率は1.5ー1.6%と低い家計向け貸出しに比べ、中小企業向けの貸出しは、金利は7.9%と低い反面、延滞率が2.4%にのぼっているからだ。

△問題点=このような変化は、中小企業の資金事情を好転させるという側面では一応肯定的に受け止められる。4月、全国経済人連合会(全経連)が調査した企業景気調査指数(BSI)で、中小企業の資金事情についての質問に対して、1月が89ポイント、2月は94、3月は100、4月は107、5月は109(暫定、100は前回と同じことを意味する)との答えが出るなど、中小企業の資金難が当分は避けられたように見える。

一方では、特別な資金需要がないにもかかわらず貸出しが増えていることに対して懸念の声も高い。今年の第1・4半期の設備投資が昨年同期に比べ、むしろ7.9%も減少していることから、いまの貸出しは短期運用資金である可能性が高い。即ち、「安い」から借りる企業が増えているということだ。

金融界の関係者は「いまは、3ヵ月期限の短期運用資金が主に中小企業を対象に貸出されており、短期浮動化現象が急速に進んでいる」と述べた。



李憲鎭 mungchii@donga.com