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済州(チェジュ)の跳躍のカギはITにある

済州(チェジュ)の跳躍のカギはITにある

Posted May. 15, 2001 08:39,   

済州島(チェジュド)を「国際自由都市」にする開発計画が進められている。具体策は出されていないが、これまでの経緯から区域別に観光、産業、文化芸術、教育、物流、金融サービスなどさまざまな分野にまたがる開発計画が盛り込まれていることがわかる。

「国際自由都市」とは、金融や企業活動そして輸出入などが国境を越えて自由に行われ、人と物の流れが無査証・無関税で行われる自由区域を指す。国際自由都市の成否を握るのは、海外の人と企業をどこまで誘致できるかにあるため、ビジネス環境や生活環境とが世界的なレベルに適合していなければならない。つまり、国際公用語として英語が通用し、世界に認められる透明で容易なビジネス文化が定着されることを意味する。そのため、国際自由都市は隣接した地域との差別化が行われる。

地域特性を生かし競争力のある国際自由都市の開発戦略を推進することは、国家発展のためにも重要だ。問題は、どのように開発を進めるかだ。済州島に散在する山、海岸、海などが有する多彩で秀麗な自然環境は、外国から観光客を引き付ける好条件である。しかし、観光産業だけで国際自由都市として成功するとは限らない。多国籍企業の企業活動が活発に行われるよう諸条件を整えることが成功の鍵となる。特に、済州島は企業が投資したり活動するための諸条件には不具合であるため、今後の戦略推進において細心の注意が必要だ。

国際自由都市建設に当ってシンガポールや香港をベンチ・マーキングするのは構わないが、モデルとして捉える発想は再考すべきだ。シンガポールが多くの多国籍企業の誘致に成功し先端産業で特化できたのは、隣接するマレーシアのジョホール、インドネシアのリアウ地域との緊密な協力により分業化に成功したからだ。香港の場合は、背後地域である中国・広東に生産機能の移転が可能だったため、多国籍企業の地域本社が集中し、金融センターとして発展することができた。一方、済州島は産業の生産背後地として活用可能な陸続きの本国もなく、隣接国家も持たないためシンガポールや香港とは異なる戦略を立てなければならない。そういう意味で、済州島の発展戦略は、情報通信技術を基盤にして成り立つのではなかろうか。

済州島には、北東アジアにおける情報通信ネットワークのハブ機能を遂行するだけの新しい戦略が必要だ。情報通信技術の発展により情報の流れは自由になった。しかし、情報の創出は特定地域に限られており、快適な自然環境と生活および企業環境を提供する地域は、高級頭脳と意志決定者の集積地と化している。頭脳人材、情報通信関連人材の緊密な相互交流と革新的な企業活動を展開できる環境が整ったとき、済州島の秀麗な自然環境はその価値を十二分発揮することになる。したがって、済州島に高度の情報通信基盤構造を構築し、同分野の人材を誘致、開発する教育および訓練制度を立てることが急務である。

済州島の観光産業は、秀麗な自然環境、伝統文化、情報通信技術を合体させることで他の地域との差別化を図るべきだ。特に留意すべきは、大型投資を投じて環境破壊的な観光商品を開発した場合、済州島の持つ観光資源の比較優位は消えるということだ。固有の文化を体感できる観光商品の開発、済州島の産物と文化を製品化し、新しい産業を創出する、といった環境にやさしく革新的な戦略が必要だ。

国際自由都市になるためには、英語が通じなければならない。ただし、英語を第2の公用語とする問題は、直ちに進めるというより段階的に細心な戦略と方策が講じられるべきだ。特に、英語を公用語にしたり、情報通信人材を開発する過程において済州島民が主体となることは言うまでもなく、彼らの文化や伝統を保存した上、国際自由都市の顔の一つにすべきだ。

国際自由都市の建設は膨大な資金の投資を要する。財源抽出の厳しさや長丁場になる開発を考えると、国際自由都市の建設が数年後には有名無実に終わるのでは、と先が危ぶまれたりもする。国際自由都市の建設において最も大切なのは、国際ビジネス文化、言語、企業環境などであることを考慮し、大型資本投資よりは知識、情報化をリードする人材開発と教育、訓練などソフトウェアー面の投資に重点をおいて進めていくべきだ。

パク・サムオク(ソウル大教授、経済地理学)