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本社派遣、ネスレ・コリア幹部の経験談

Posted May. 15, 2001 11:30,   

「個人レベルで言うと、韓国人の方がより倫理的であると思います。情も厚いし、気配りもあります。しかし、企業レベルの比較となると話は変わりますね」。

スイスのヴェヴェーで会ったネスレ・コリアのホン・ジョンピョ部長とイ・バンボク次長は、「企業のモラルを導くのは人ではなく、整備された制度と原則」であると、自らの経験を話す。ホン部長は業務研修のため、イ次長は本社のプロジェクト遂行のためヴェヴェーに滞在している。ヴェヴェー本社には、ホン部長やイ次長の外にも世界40カ国からの社員たちが集まって教育を受けたり、業務を遂行中だ。

ホン部長は、ネスレ社の倫理的な経営の根拠を200年余りの産業化経験に求めた。長年に渡る企業運営の結果、どこでどのような腐敗要素が生まれるのかお見通しだという。

「西欧の企業に比べると韓国企業は穴だらけです。ここでは、すべての業務にガイドラインが示され、皆それに従います。下手な真似をすると『一人芝居を演ずる』羽目になります」。

イ次長は業務管理の徹底と事後評価を強調した。「その気になれば、誰でも原料生産者の名前まで追跡調査が可能です。これは、世界中どこでも同じです。また、世界20ヵ所にある研究センターでは、原料と製品の検査が周期的に行われます。ですから、問題が発生した場合、直ちに責任所在が明確になるのです。入札段階からガラス張りになるはずです」。

業務に関しては、絶えず社員の「没入(Comm-itment)」を誘導する雰囲気が印象深い。「ここでは、あらゆる仕事をアイデア会議と合意によって進めています。ビジネスにも徹底した民主主義が導入されているとでも言えましょう。『上部』で決めた指示を出すより生産性が高いのは当然です」。

ホン部長は民主主義的な方法が業務に及ぼす影響を目の当たりにして驚いたと言う。「ブレイン・ストーミングを通じて自発的に仕事をこなしていけば、自然と業務関連知識が蓄積されます。これを繰り返せば、蓄積される知識の量は膨大になります。結局、企業と社員は共に競争力を高める結果となるのです」。



文權模 africa7@donga.com