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[社説] 金剛山観光、カジノは駄目だ

Posted April. 16, 2001 13:03,   

金剛山観光事業が存廃の岐路に立たされている。1998年11月事業を始めて以来、観光船の賃貸や運営、観光客の募集などの核心的な役割を担ってきた現代商船が、先週、現代牙山(ヒュンダイアサン)側に事業の放棄を通報したのが明らかになった。事業の主体である現代アサンでは「事業の継続」を強調しているものの、既に資本金(4500億ウォン)を使い果たした状態で特別な対策が講じられない限り、単独で事業を続けることは難しくなった。

問題の核心は累積された赤字だ。現代側が今まで金剛山観光事業に注ぎ込んだ資金は、施設投資、観光船の賃貸料、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に支払う入山料などを含め、総6億3800万ドル(約8000億ウォン)に達する。現代商船一社だけでも昨年一年間、同事業で876億ウォンの損失を被り、最近では観光客の減少で毎日2億ウォン相当の赤字を記録しているという実情だ。

金剛山観光は言うまでもなく南北和解協力の象徴的な事業である。従って、我々もできる限り金剛山観光事業は持続されるべきだとは思っている。が、いくら大義名分が立派な場合でも、資本主義社会で一企業が一日に2億ウォンずつの赤字を出しながら、何の対策も講じ得ずに事業を続けることは不可能である。とすれば、金剛山観光を始めて2年5ヶ月経った今、この事業を全面的に再検討し、継続させる場合、まずそれに相応しい現実的な代案を模索すべきである。

何よりも、初めから問題を孕んで出発した北朝鮮との協商内容を再調整することが急務である。観光客数とは無関係に毎月1200万ドルを北朝鮮に支払う方式では、赤字は雪だるま式に増えていく一方だ。観光客数によって入山料を支払う方式に変えると共に、陸路を通じた観光を模索するなど、南北当局と現代が膝を交えてより合理的代案を模索すべきである。

一部では、金剛山観光事業の回生方案として、現代に船上あるいは海上ホテルのカジノを認める方案を検討すべきだとの声も聞かれる。しかし、我々としては、船上カジノであれ、海上ホテルのカジノであれ、カジノは絶対認めるべきではないと思う。カジノ事業が及ぼし得る社会的副作用も問題だが、これは金剛山観光事業の本来の主旨にも沿わないことだからだ。

金剛山観光は南北がお互い和合する場を広めていくことであり、ギャンブルをしに行くところではあるまい。また、カジノで金剛山事業の赤字構図が相当部分改善できるとはいえ、ギャンブルの場を提供して稼いだお金で南北間事業を継続するということも、国民の情緒には合わないことである。