朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、13日(火)から開かれることになっていた第5次閣僚級会談を一方的に、しかも開催当日の朝に延期要請をしてきた。これは常識的に納得しかねる振る舞いである。会談の準備を済ませていた南側にとっては当惑せざるを得ない出来事である。北側は会談の延期理由を「諸事情」とだけ言い、それに対する疑惑ばかりが募っているというのが南側の実情だ。北側は昨年10月の第2次南北経済協力実務接触を、開催の前日に延期したと打診するなど、南北朝鮮が合意した日程を一方的に破る事例が今までもあった。我々はその度に北
側の態度はおかしいという考えを表明しつつも、対極的な見地からただ見過ごしてきたというのが事実である。
しかし今回のように南北関係を総括する重要な会談を、当日の朝に特別な説明もなく一方的に延期したことは、あってはならない「礼儀の欠如」だと考える。北側は事前に延期理由を詳しく明らかにし、会談の相手である南側の了解を得るべきだった。今回については北側のはっきりとした謝罪がなくてはならない。北側の閣僚級会談延期については、様々な説が飛び交っている。一部では「韓米首脳会談の結果に対する北側内部の政策練り直しのための時間稼ぎ」と推測され、米国の対朝強硬政策に対する反発、金大中(キム・デジュン)大統領が韓米協力体制の強化を主張したことに対する不満のため、とも推測されている。今回の会談で取り上げられる「金正日(キム・ジョンイル)総書記のソウル訪問」についての北側の意見が、まだ整理できていないためだとの意見もある。政府は韓米首脳会談の結果とはあまり関係なく、あくまで北側の内部事情によるもののようだと述べており、北朝鮮の全今振(チョン・グムジン)団長の健康悪化説、突然の団長交替説も挙がっている。
どちらにしても今回の突然の延期により、南北朝鮮関係に何らかのわだかまりが残るのではないかと懸念される。今回の会談で取り上げられる予定だった金総書記のソウル訪問問題、軍事的緊張緩和方案、離散家族や南北経済協力問題などは、一日も早く解決されなければならない懸案だ。特に韓米首脳会談の結果について十分な意見交換をする必要がある。韓米首脳会談明らかになったソウルとワシントンの北朝鮮に対する見方の違い、そしてブッシュ政権が対朝政策6大原則の第1に掲げた「韓・米・日の政策協調」とこれに対する北朝鮮側の対応は、今年の南北朝鮮関係と朝鮮半島情勢に少なからぬ影響を及ぼすものと思われるからだ。政府はこれを機に、南北朝鮮関係、韓米関係、そして朝米関係など、朝鮮半島の周辺状況を新たに調和させられる「外交的接点」を見出さなければならない。






