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[コラム]「天下り」退出のコメディー

Posted November. 16, 2000 12:12,   

昨年、政府投資機関のうち、経営実績のもっともよくなかった韓国観光公社のチョ・ホンギュ社長は最近、輸出用の映画を制作するという計画を発浮オ、またもや非難の対象になっている。観光振興のための公共の機関としての役割をはたそうとするよりは、「突拍子な行動」ばかりをしていると批判されている。四選議員出身で、今年の6月に赴任したチョ社長は、ある放送局のテレビ番組に出演し、「わたしは歩く天下りである」と発言して、物議を醸し出している。

「天下り」として阜サされている一部公企業の社長らが起こしているハプニングはこのほかにも多数ある。もちろん政治家や官僚、政府部署の高官出身の社長がみな、仕事ができないわけではない。しかし、いくらすばらしい迫ヘを持っている人物でも、全く初めて接する分野の企業に社長として就任し、専門経営家とかわりのない仕事ぶりを期待するのは至難の業だ。

政府は、「年末に経営改善の実績が優れない公企業の社長何人かを見せしめとして『首』にするためのリストづくりを始めた」と発浮オた。政府なりには公共部門の改革に実りがあったと自負してきたが、国民が感じる改革の程度が低い事から、何かを見せるためには「自らの手に血をつけなければならなくなった」との説明だ。

もちろん、仕事のできない公企業の社長を辞任させるのは当然の事である。しかし、政府自らが任命した天下り経営家を退出させる一連の過程を見ていると、まるで「コメディー」を見ているような気がしてならない。血税で運営されている膨大な規模の公企業に、専門性とはかけ離れた人物を任命するのもおかしいが、後で経営実績がよくないからとして追い出すといったような現実は、国民の立場からすると勝手極まりないことである。

政府が「政府寄り」を国民企業の首長に天下りさせる発想を諦めない限り、またそういう公企業の「居候」がなくならない限り、こうした「コメディー」はいつまでも続くだろう。



李勳(イ・フン)記者 dreamland@donga.com