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[社説]今後は医療サービスの質を高めなければ

[社説]今後は医療サービスの質を高めなければ

Posted November. 12, 2000 11:01,   

バス料金が値上げされれば乗客に対するサービスが良くならなければならないように、国民の医療費負担が大きくなれば医療サービスの質も高まらなければならない。政府と医薬界が薬事法再改定に合意した後、実践しなければならない課題はこのような当然のことである。

そうするためには特にその名分が何であれ、今年の6月以後の4回に及ぶ集団休業及びストライキで、国民に忍耐を強い、苦痛を与えたことは勿論、社会混乱をも起こした医療界は、これから国民保健増進のために本来の役割を果たさなければならない。

医療の非常事態は医療界の責任によるものだけではない。準備が整っていない医薬分業を強行した政府の責任はより大きいだろう。任意調剤の慣行をなかなか捨て去ることのできない薬剤師界も責任を逃れることはできない。しかし、国民の健康のために望ましい医薬分業を主張してきた医療界が、その闘争の名分を医療改革の実質的成果につなげるためには、他に責任を求めるのではなく自らを省みる必要がある。

何よりもこのように成された医‐薬‐政の合意が、医薬界内部の追認過程でまた覆されるというような、最悪の状況が繰り広げられることは絶対あってはいならない。一部の開業医を中心に任意分業の主張がなされ、レジデントも医療保険に対する国庫補助対策が不確実な点等に不満を浮筲オているという事だ。

しかし、医薬界代浮ェ合意した内容が、会員の反対に逢い、覆される事態が再現されては絶対あってはならない。今回の合意でレジデントは病院に戻り、医学部‐薬学部の学生の授業拒否事態も終わらせなければならない。

事実、今回の医薬政合意で言いたいことも言えなかったのは医療消費者である国民だ。それでもその負担はそっくりそのままその国民が負うことになる。すでに診察費と医療保険料の引き上げで国民の医療費負担は大きく増えた。来年も大幅な医療保険料引き上げが卵zされている。

後進的な医療体系を改善し、先進国水準の医療サービスを望もうとすれば、医療費負担の増加は殆んど避けることはできないだろう。しかし、国民がこれを受け入れるには、負担が増えた分、医療サービスが向上しなければならない。

政府は医薬分業の細部事項を一つ一つ点検し、これ以上施行に支障がないようにしなければならない。身動きがままならない老人や子供の分業例外適用も早い時期に確定し、混乱が起きないようにしなければならない。

医療界は、透明な病院経営で消費者の信頼を得る努力をしなければならない。過剰診療行為のような過去の悪習とリベート代、ランディング代等の裏の慣行も断ち切らなければならない。薬剤師界は、診療行為と任意調剤を今後は放棄しなければならない。医薬政の合意は相変わらず不安に満ちた出発である。