金大中大統領は、昨日、4大改革の推進状況を点検する場で、金融監督院の職員がトンバン(東邦)相互信用金庫事件に絡んでいると言う事はありえないことだとして、このような不正要素は果敢に取り除くよう指示した。金大統領はまた、金融監督院の名誉回復というレベルでも、金融改革を順調にすすめるよう指示したとのこと。
金融監督院が先日、自浄決議大会を開き、役職員の私設ファンドへの加入禁止や退職者の金融機関就業制限など、内部の機構を刷新すると決議したのに続き、金大統領が改めて金融監督院の役割を強調したのは、企業の金融改革が大変至急な課題であるからだ。
しかし、いくら企業の金融改革が至急であるといっても、トンバン金庫の事件でも明らかになったように金融監督院の構造的不正を取り除かなければ、企業の金融改革は成功できないであろう。企業の金融改革は、国民の信頼のもとで行われるべきであり、そのためには金融監督院の不正から徹底的に取り除かなければならない。
当然、検察の捜査に注目せざるを得ない。ベンチャー企業と金融監督院の腐敗した関係、それに影響力を及ぼした政治圏の人物を明らかにする事は、すべて警察の仕事だ。
検察の捜査が進んでいる中、韓国デジタルラインのチョン・ヒョンジュン(鄭鍱逷)社長とトンバン金庫のイ・キョンジャ(李京子)副会長が、これまで金融監督院に組織的にロビー活動をしたという疑惑の実態が明らかになった。金融監督院の職員一人や二人に済む問題ではないだろうというのが検察の判断だ。かなりの役職員が彼らのロビーと関連している可能性が高いと見ている。
特に検察は、チョン社長が募集した5、6の私設ファンドの加入者をほとんど確認しており、これには政官界の人物が多数含まれている事が確認された。
にもかかわらず最近、検察の一角では「政治家が私設ファンドに加入したとしてもそれが法的に問題になるのか・・・」という話が出ているという。もちろん、ファンドに加入した事自体が違法ではない。しかし、チョン社長が有力人物にファンドの加入を勧める過程で、損失の保全を約束し、それを理由に「バッググラウンド」となってくれる事を頼んでいる可能性はいくらでもある。検察がこれらの理由を考慮せずに、政治圏の捜査にあらかじめ一線を画してはいけない。
しかも、ロビー疑惑の中心人物として手配されていたチャン・レチャン(張来燦)元金融監督院の非銀行検査1局長が昨日自殺した事で、この事件は新たな局面を迎えている。彼の自殺と言う選択は、この事件の重大さを意味してるのかも知れない。チャン元局長の自殺で、「ロビーの上部ライン」を確認する事は難しくなったが、そうであるだけに検察は聖域のない捜査をすべきだ。






