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最高裁、「淫乱小説」作家に有罪確定

Posted October. 27, 2000 18:56,   

最高裁判所は27日(金)、淫乱文書製造などの容疑で起訴された小説『私に嘘を言ってみろ(ネゲ コジンマルル ヘバ)』の著者、ジャン・正一(ジャン・ジョンイル)氏に対する上告審で懲役6ヶ月、執行猶予1年を言い渡した原審を確定した。

裁判所は判決文で「文学作品や芸術作品に文学性や芸術性があるからといって、その作品の淫乱性が許されるものではない」とし、「この小説は性行為の描写が露骨で、あまりにも具体的な点、性的描写が量的・質的に小説の中枢となっている点などを考えると、今日我々の社会の開放された性観念に照らしたとしても淫乱だと判断せざるをえない」と明らかにした。

今回の判決は、芸術作品であれ性的表現が社会的通念の許容範囲を越えた場合、刑事的制裁を加えなければならないという点を強調しており、芸術および表現の自由が保障されなければならないという文化界の主張が受け入れられなかったということだ。

ジャン氏は96年10月、中年のある彫刻家が高3の女子高生に出会い、情事を繰り広げるという内容のこの小説を出版、翌年1月淫乱文書製造などの容疑で起訴され、一審で懲役10ヶ月、二審では懲役6ヶ月・執行猶予1年を宣告された。

一方検察は「この小説をもとに制作された映画『嘘(コジンマル)』に対して、原作よりは表現・内容が緩和されており、処罰するほどの淫乱性は認められず、社会雰囲気上、刑事処分よりは国民の判断に任せる」とし、去る6月映画製作者などに嫌疑はないとした。