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アジア欧州協力枠組み(AECF)と議長声明の要旨

アジア欧州協力枠組み(AECF)と議長声明の要旨

Posted October. 21, 2000 19:01,   

*アジア-欧州協力枠組み

第3次アジア欧州会議(ASEM)は、今後の会議指針を提示するためのアジア欧州協力枠組み(AECF)を採択した。AECFは、ニューミレニアムの最初の10年間にASEMが発展するためのビジョンと基本原則などを提示している。ASEMはアジアと欧州が、互いに依存し、同等の立場で協力するためのものである。両地域は、国連憲章の順守と民主主義と人権尊重、環境への関心をとり続ける。ASEMはグローバル化や情報技術、電子商取引、新経済体制への新たな挑戦にも対処する。

ASEMの中心となる原則は共同の利益と未来ビジョンの模索である。このための協力事項に優先順位をつけ、政治、経済、文化分野を同等に取り扱う。また、ASEMは非公式過程をとるものの制度化しない。

政治分野は特定議題をあらかじめ排除しない。ただ、加盟国の国内問題を直間接的に干渉しない。高官レベル会議(SOM)を始めとする高官レベルの会議を設け、国連の改革や軍備統制、大量破壊武器の非拡散、女性児童福祉増進、移民者の搾取などについて議論する。

ASEMは、経済会議と貿易投資高官会議(SOMTI)では経済分野について話し合う。世界貿易機関(WTO)の原則にもとづいて多国間貿易体制を強化する。加盟国が貿易円滑化行動計画(TFAP)と投資促進行動計画(IPAP)を守り、アジア欧州間の貿易投資拡大を図る。

社会文化教育分野では、文化交流を深めるためにアジア欧州財団(ASEF)を支援する。学術交流、学校間電子ネットワーク活性化、社会科学、芸術、スポーツ分野での経験を分かち合い、ネットワークも拡大する。

ASEMへの参加を希望している国家のために門戸を開放する。参加希望国は、希望国が属する地域の支持を取り付けた上で全参加国の全会一致の承認を必要とする。

*第3次ASEM議長声明書

第3次アジア欧州会議(ASEM)で、加盟国首脳らはパートナーシップを強化する事にした。

首脳らは金融・経済危機を経験したアジア諸国の経済回復に注目し、関連国家の特別な状況を考慮した持続的な改革が必要であるという事を認識した。石油価格の高騰に対する懸念を表明し、原油などの安定的なエネルギーの需給を確保する事が、全世界の長期的な経済成長には必ず必要だと言う事に意見を共にした。

そしてASEAN地域安保フォーラム(ARF)が、地域の政治安保問題に対する強力と話し合いの重要な場として、持続的に発展している事にも注目した。7月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の加盟が、ARFを一層強化し、域内の平和と安保の増進に寄与した事を歓迎した。

また、6月ピョンヤンで行われた歴史的な南北首脳会談を歓迎し、朝鮮半島の平和定着の基盤を提供したこの会談の意義を高く評価した。

また首脳らは、東ティモールの安定の回復を歓迎し、中東地域への懸念を表明した。

また、グローバルなレベルで戦略的均衡と安定を維持し、大量破壊武器関連軍備統制、軍縮、非拡散に関する地域的および世界的措置を強化する必要があると強調した。

グローバル時代においての移民管理やマネーロンダリングを始めとする国際犯罪、特に性的搾取を目的とする女性や子どもの人身売買など世界的な関心事については共同で対処する事にした。

同時に、両地域間のパートナーシップを強化する上で不可欠な要素として、ASEM加盟国間の経済的関係増進を約束した。知識や情報、グローバル時代を迎えて、各国の首脳は、貿易・投資だけでなく情報通信技術分野の協力の重要性を強調した。

世界化の挑戦に対処するためには、規範に基づいた多国間貿易体制の役割が何よりも重要であるということを改めて強調した。2002年デンマークのコペンハーゲンで開催される第4次ASEM首脳会合での再会を期待しながら、2004年はアジアで第5次会議を開催する事にした。