朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日総書記の全権特使である国防委員会のチョ・ミョンロック(趙明祿)第1副委員長の訪米をきっかけに、北朝鮮とアメリカは半世紀にかけての敵対関係を清算し、本格的な関係改善をする見通しだ。
米朝両国が、6日の共同声明を通じて、北朝鮮はあらゆる形の国際テロに反対するという立場を発表したのは、アメリカが北朝鮮をテロ国家指定から解除するための事前の動きである。
こうして両国は、これまで関係改善の大きなネックとなっていたものをとりはらい、両国の関係を正常化するための具体的な方法を模索すると見られる。
何よりも重要なのは、北朝鮮の要請で行われた今回の米朝高官協議で、チョ副委員長がどのような「プレゼント」を用意するかである。テロ国家指定解除の件にしても、北朝鮮が元赤軍派の日航機「よど号」の拉致犯を今後も匿うようであれば、アメリカとしては国内の法的手続きによって、これ以上の進展は期待できないという、確固とした立場であるからだ。
アメリカは、また北朝鮮が体制の安定を保障するために、切に願っている平和協定の締結は、根本的には韓国戦争の当事者である南北間で解決すべきだという原則を立てている。在韓米軍の撤退も、韓国と米国間に協議する事であり、米朝間の議題ではないとの事だ。
その上、米朝間には、北朝鮮のミサイルの件や核凍結維持などの難題が取り残されているため、今後米朝関係が順調に改善されたかどうかはわからない。ただ、94年両国の合意後、北朝鮮の微温的な態度により進まなかった連絡事務所の開設は、北朝鮮の態度によって進展する可能性がある。
アメリカのクリントン大統領が、チョ副委員長との懇談に対する記者らの質問について、6日「まずは彼の話を聞く」と話したのは、米朝関係は北朝鮮の態度の変化があれば進むだろうという意味を示唆したものと思われる。
北朝鮮はこのようなアメリカの立場をよく把握しているので、今回それなりにアメリカの期待に即応する実質的なメッセージを、チョ副委員長を通じて伝える可能性が高い。
北朝鮮としては、対米関係の改善は、体制安定のための絶体絶命の課題であるため、金正日総書記の最側近であるチョ副委員長の訪米をできるだけ活用するはずであり、また、これに対するそれなりの準備が整ったので訪米を提案したというのが、ワシントン外交街の分析である。
アメリカが今回、共同声明の形で、北朝鮮のテロ反対を公言したのは、北朝鮮負担を少なくするための配慮によるものだ。北朝鮮は、米国のテロ国家指定解除があってこそ、国際通貨基金(IMF)や世界銀行などの国際機関から経済難克服のための借入れが可能だ。
これに先立って、アメリカは6月、北朝鮮を「不良国家」と表現していたものを「憂慮国家」と変える事にし、7月には対北朝鮮の禁輸措置を50年ぶりに解除し、経済制裁を大きく緩和するなど関係改善に向けての準備を整えてきた。
先月初め、北朝鮮の最高人民会議のキム・ヨンナム(金永南)常任委員長が、アメリカの航空会社の検索に抗議し、訪米を中止したとき、両国の確執を早期に解決したのも、関係改善の大きな枠組みが揺るがされるのを事前に防ぐためだった。
ワシントンのある外交消息筋は、「このような状況からしてチョ副委員長の訪米は、米朝関係の突破口になる見通しだが、具体的な結果を前もって予測するのは難しい」と話した。
韓起興(ハン・ギフン)特派員 eligius@donga.com






