Go to contents

更迭される安保室長、セウォル号責任逃れの発言で信頼墜落

更迭される安保室長、セウォル号責任逃れの発言で信頼墜落

Posted May. 23, 2014 08:51,   

한국어

「野戦ベッドのリーダーシップの駄目詰まり」

22日、金章洙(キム・ジャンス)大統領国家安保室長が更迭された背景には、自分の発言が決定的な打撃となった。金室長は昨年2月から5月に掛けて、南北対決の際、退社せず、野戦ベッドでの寝泊りのリーダーシップで脚光を浴びた。北朝鮮の3回目の核実験、開城(ケソン)公団の一方的閉鎖など、危機が高まるたびに、率先する姿で、政権発足初期の朴槿恵(バク・グンへ)政府の外交安保省庁を率いた。しかし、旅客船セウォル号沈没惨事の状況で、「国家安保室は、災害コントロールタワーではない」という発言で、朴大統領に大きな政治的負担を与えた。

問題の発言は4月23日、東亜(トンア)日報の報道への反ばくの過程で出てきた。同日、東亜日報は「(セウォル号災害対処の)コントロールタワーの役割を果たすべき国家安保室傘下の危機管理センターが、不正確に情報をふるいにかけられず、大統領の状況判断に混乱を招いている」と指摘した。金室長が、事故後、一度も姿を現さなかったということも指摘した。これについて、金室長は、大統領府の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官を通じて、「安保室は、統一安保や情報、国防のコントロールタワーであり、災害コントロールタワーではない」と明らかにした。これは、大統領府が、災害収拾とは無縁だという責任逃れの発言と受け止められ、批判が殺到した。大統領府が災害にきちんと対処できなかったという批判が殺到すると、自分には責任が無いと知らん振りしたことと違わないからだ。野党はもとより、与党からも、「無知で無責任だ」という反応が出てきた。

閔報道官は、「大統領府ではなく、安保室が災害コントロールタワーではないという意味だ」と追加説明をしたが、すでに覆水盆に返らずだった。大統領府の一部からは、「金室長の発言のため、大統領の支持率が、少なくとも10%は削られた」という自嘲的発言まで出てきた。自分に向けられた批判を避けようと、急場しのぎの発言を行った金室長と、不適切な発言をそのまま口移しした閔報道官共に、資質不足だという評価も出てきた。

また、金室長の発言は、1年前の自分の発言と相反することが、後になってわかった。国会の速記録によると、金室長は昨年4月、国会運営委員会に出席し、「国家安保室は、安保や災害、国家重要インフラの危機兆候に対し、24時間のモニタリング体制を構築した」とし、「国の非常事態に備えるコントロールタワーとしての役割を果たすつもりだ」と述べた。