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国連の北朝鮮制裁パネル、ロシアの拒否権で活動打ち切りへ…「北朝鮮監視カメラが消えた」懸念の声

国連の北朝鮮制裁パネル、ロシアの拒否権で活動打ち切りへ…「北朝鮮監視カメラが消えた」懸念の声

Posted March. 30, 2024 09:05,   

Updated March. 30, 2024 09:05

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「北朝鮮制裁の履行を監視する監視カメラが消えた」

国連の安全保障理事会(安保理)の北朝鮮に対する制裁が適切に守られているかを監視する対北朝鮮制裁委員会傘下の「専門家パネル」の任務延長が、安保理常任理事国であるロシアの拒否権行使と中国の棄権により、2009年のパネル設立から15年で活動が打ち切られる。追加措置がなければ、現パネルの活動は4月30日で終了する。

北朝鮮とロシアの軍事協力の強化、北朝鮮の核活動に対する中国の黙認で、国際社会の対北朝鮮制裁が無力化されていると懸念されている。英紙フィナンシャル・タイムズは、「対北朝鮮制裁体制がほぼ崩壊レベル」と指摘した。特に、安保理常任理事国であるロシアの「拒否権の乱用」に対する批判も高まっている。

国連安保理は28日(現地時間)、8人で構成された北朝鮮制裁委員会専門家パネルの任務延長決議案を採択するための会議を開いたが、ロシアの拒否で否決された。中国も棄権した。安保理決議案の採択には、米国、英国、フランス、中国、ロシアの常任理事国5ヵ国の全会一致の同意が必要だ。

外交関係者らは、北朝鮮とロシア間の違法な兵器取引状況を詳細に監視してきた専門家パネルに対するロシアの報復措置と見ている。今後、北朝鮮との追加兵器取引を行う際に邪魔されないようパネルをなくしたということだ。

実際、20日に公開された専門家パネルの報告書は、北朝鮮製の兵器がウクライナ戦争に使われる経路を詳細に分析した。コンテナを積んだロシアの船舶が北朝鮮の羅津(ナジン)港とロシア・ウラジオストクのドゥナイ港を行き来したことが衛星写真に鮮明に映し出された。このコンテナが、ウクライナ国境の弾薬庫に移送されたとみられるとも診断した。

国際社会は、ロシアと中国のこのような行動を強く批判した。黄浚局(ファン・ジュングク)国連大使(写真)は、「犯罪をして監視カメラを破壊するようなもの」と述べた。米国務省のミラー報道官も、「北朝鮮との『堕落した取引(corrupt bargain)』のためにロシアが拒否権を行使した。ロシアと中国に深く失望した」と非難した。林芳正官房長官も、「米国、韓国などとこれまで以上に緊密に連携し、更なる対応を検討する」と述べた。

安保理は、2006年の北朝鮮の1回目の核実験後、対北朝鮮制裁委員会を設置した。09年の2回目の核実験後、専門家パネルを構成し、毎年活動を延長してきた。これらは、北朝鮮の制裁違反、違法兵器開発及び瀬取り、暗号資産の窃取、金正恩(キム・ジョンウンウン)総書記の奢侈品輸入などを監視し、この内容を毎年2回報告書で公開した。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 コ・ドイェ記者 weappon@donga.com