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テコンドー道場のように

Posted March. 07, 2024 08:42,   

Updated March. 07, 2024 08:42

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今年、小学1年生になった息子を持つワーキングママのAさん。入学を目前にして青天の霹靂のような知らせを聞いた。学校施設の工事で入学が2週間延期されたのだ。「世話の空白」と向き合ったAさんは休暇を取るべきか、実家の母親の手を借りるべきか戦々恐々としていた。Aさんを救ったのは、テコンドー道場だった。テコンドー道場が終日クラスを運営し、町内の保護者たちを手伝うことにしたのだ。

テコンドー道場は、現存する最高の適合型ケアセンターだ。その始まりは「下校サービス」だ。必要に応じて、次の塾に引き継ぐ「シャトルサービス」も提供する。道場にいる間はテコンドーだけでなく、最近の小学校の必須種目である縄跳びは基本で、サッカーやドッジボールのような球技種目も教える。「テコンドー道場の冬季キャンプの時、初めてスキーをした」という子供も少なくない。学校体育の実技試験はもちろん、学芸会の準備も手伝う。

テコンドー道場の名前は、基本的に「地域名+館長の卒業大学名+孝(親孝行)+テコンドー」の構造となっている。実際、その道場名に沿って忠実に運営している。テコンドー道場は、「自立心を育てる」として、道場に通っていない子供たちを呼び集め、週末合宿プログラムを運用しているところもある。合宿を終えた低学年の児童たちは、親と会うやいなや涙を流すのが常だ。高学年の兄や姉たちと一晩を一緒に過ごしただけで、「自分の意地のままでは大変な目にあうことになる」という事実まで悟ったからだ。

断言するが、テコンドー道場があるため、大韓民国の出産率はゼロにならないのだ。テコンドー道場ほど、韓国の女性経済参加率を引き上げている業種もない。4人の子供を育てているBさんは、「会社にいる時は、夫より(子供ともっと近くにいる)テコンドー道場の館長とよく電話をしているようだ」と話した。

教育部は今学期から、小学生が午後8時まで学校に滞在できる「ヌルボム学校」を導入した。文化体育観光部も、ヌルボム学校に参加する1年生に対し、文化芸術・体育プログラムを提供する。文体部が用意したプログラムに目を通し、小学1年生の保護者として、「知らないにも程がある」と感じた。「物語のおばあさん」の話に、子供たちは本当に耳を傾けるだろうか。大半の1年生は誰かさえ知らない張美蘭(チャン・ミラン)次官が、一日講師として自ら出向くと強調した部分を読んだ時は「爆笑」してしまった。

ヌルボム学校前のバージョンである保育学校への参加率は、昨年基準で11.5%に止まった。テコンドー道場はできるのに、官製保育プログラムはなぜできないのか。この少子化時代にも子供を産むことにした人たちは、基本的に子供を早く育ててしまいたい気持ちではないからだ。私たちは、子供たちと一緒に幸せに暮らしたい。夕食はいつでも子供たちと一緒に食べられる世の中で暮らしたい。

ところが政府は、この問題は放っておいて、「パブリックケア(public care)」のみ強調する。親の役割を国家が代わりにしてくれると信じるのは傲慢だ。だから、管制ケアプログラムを「他人のもの」と感じる親が多くならざるをえない。政府は本当にヌルボム学校を成功させたいなら、「テコンドー道場はどのようにして韓国だけでなく、米国やヨーロッパ、台湾などでもケアの最高峰になったのか」から研究してみてほしい。