Go to contents

「政権3年目」の尹大統領がクールになる方法…「民情」システム強化が解決策

「政権3年目」の尹大統領がクールになる方法…「民情」システム強化が解決策

Posted December. 05, 2023 08:58,   

Updated December. 05, 2023 08:58

한국어

「かなりクールだった」

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が検事総長だった2019年10月、大検察庁の国政監査で李明博(イ・ミョンバク)政府に対して行った評価だ。「大統領の側近や兄、このような人々を拘束する際、あまり関与がなかった。朴槿恵(パク・クンヘ)政府の時はすべて知っていた」と述べた。政権実勢の汚職を捜査しても「規定を変えて捜査を無力化したり、人事で報復したりしようとしなかった」という意味だ。文在寅(ムン・ジェイン)政府関係者の激しい反発を招いたが、法曹界の一部では納得する見方もあったのが事実だ。

大統領府の蔚山(ウルサン)市長選挙介入事件の捜査が行われてから4年が経った。捜査から起訴まで難航した後、起訴から3年10ヵ月で1審の判決が出た。「グローバルスタンダード」を云々し、この事件の公訴状を非公開にすることもあった。文在寅大統領府を正面から狙った捜査の大胆さだけでなく、捜査検事の大半が左遷されるなど影響も大きかった。

この事件の1審の有罪判決は、「政権3年目」の尹政府にも示唆を与える。政府が、来年度の総選挙の管理に厳格な中立義務を守らなければならないことは基本であり、現政府も検察の司正の対象になる日が近づいているという警告もある。蔚山市長選挙介入事件は、文政府2年目の2018年の地方選挙を対象に翌年の冬に捜査が行われた。

政権3年目からは検察と政府間の緊張も高まる。権力者の周辺で利権を狙う勢力が繰り広げた様々な事が徐々に熟成され、事件に発展するのもこの時期だ。李沅石(イ・ウォンソク)検事総長も、「検事総長出身大統領」の政権で浮上する不正疑惑にどれだけ厳格な基準を適用できるかによって、検察の中立性と信頼に対する評価が変わるということに留意するだろう。さらに、第一線時代、無謀な「斧」ではなく、洗練された「フェンシングの剣」と呼ばれた人物だ。

逆に、尹大統領は検察のトップだったが、今は国政の最高責任者だ。今、彼自身が「クール」でなければならない時が近づいているのだ。側近グループの問題が浮上したり、政策樹立と執行過程で生じた問題がいつ刑事事件に発展したりするか分からない。「尹心」を歪曲して自分の意思を貫徹しようとしたという話しもあった。最大野党「共に民主党」は、ドイツモーターズ特検、大庄洞(テジャンドン)50億クラブ特検など、いわゆる「双特検」を集中的に提起し、現政権の捜査を迫っている。これから開かれる「双特検」の処理局面は、龍山(ヨンサン)・検察・野党間の複雑な駆け引きの序盤だろう。

この時点で、大統領室は「システム」が正しく機能しているのか、もう一度確認する必要がある。韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官が検察の不正疑惑をめぐって、「どんな組織でも問題はあり得るが、それを修正するシステムがあり、そのシステムが作動している」と述べた。龍山はこれを大統領秘書室に当てはめてみることを勧める。

もしかすると「味方」の問題、「上」の問題だからと包み隠したり、覆い隠したりしてしまうと、事が大きくなる日が来るかもしれない。罠取材の論議にもかかわらず、金建希(キム・ゴンヒ)夫人にバッグが渡される過程は、それ自体が波紋を生んでいるのではないか。大統領室に有能な人材を補充するか、特別監察官の任命、民情首席秘書官の復活など、民情機能を強化しなければならない。そうすればクールになれる。誰も責任を負わず、システムも有名無実なので、リスクだけが蓄積されているのではないか。