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意欲だけが先走った使い捨てカップの保証金制度、3年間で240億ウォンを使って放棄

意欲だけが先走った使い捨てカップの保証金制度、3年間で240億ウォンを使って放棄

Posted September. 12, 2023 08:37,   

Updated September. 12, 2023 08:37

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環境部は、全国に拡大施行しようとしていた使い捨てカップの保証金制度を、地方自治体の判断に任せることにした。消費者と業者の不便に比べて、使い捨てカップのリサイクルの割合が高くないという。これで、2020年の導入決定以来、2度の施行延期の末、世宗と(セジョン)済州(チェジュ)で試験的に運営している同制度は、事実上廃止の手順を踏むことになった。3年間の試験運営にかかった予算240億ウォンを、そのまま浪費することになる。

使い捨てカップの保証金制度とは、紙コップやプラスチックカップに入った飲み物を買う時、保証金300ウォンを払い、カップを返却すると保証金も返却される制度だ。2018年、中国のリサイクルゴミの輸入中断でゴミ大乱が起きると、これを機に使い捨て用品の使用を減らそうという趣旨で導入された。

環境政策は、その趣旨は良くても、企業と消費者には規制と不便さが伴うため、定着しにくいのが事実だ。使い捨て用品の保証金制も、消費者の立場では300ウォンを返してもらおうと売り場に行ったり、コップ返却機を探し回ったりする煩わしさを甘受しなければならない。使い捨てカップを回収して洗って保管し、リサイクル業者に送らなければならない業者の負担はさらに大きい。制度施行対象を加盟店100店以上のフランチャイズに制限したことも、公平性の論議を呼んだ。

それだけ制度定着のために説得し、負担を減らし、カップ返却と回収が容易になるようインフラを造成する細心の準備作業が必要だった。同じ政策を2003年に施行し、5年後に廃止した前例から学ぶこともできた。しかし環境部は、2年間手を拱いていて、施行日が迫ってからコロナ禍と業者の反発を口実に施行を猶予し、対象地域を縮小し、結局、地方自治体に押し付けるに至った。

この制度を9ヵ月間施行している世宗と済州の場合、カップの返却率が45%や64%に過ぎない。制度の受容性が低いこともあるが、環境部が右往左往したことで、政策の権威が地に落ちたことも大きいだろう。失敗からも学ぶことができない卓上行政で、不便を甘受して制度を施行してきた人だけが馬鹿を見て、無人回収機の開発業者も大変な目に遭うことになった。環境部は、3年前も、包装材のゴミを減らそうとし、まとめ商品の割引販売を禁止しようとして白紙化したことがある。副作用が予想される政策を強行することも問題だが、政策効果に対する熟慮なしに突然出した後、回収を繰り返すことは政府の信頼性を落とすという点でより一層問題だ。この程度の行政力で、複雑な環境政策を説得し、推進することができるのだろうか。