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北朝鮮が「核攻撃」警告の2日後に巡航ミサイル3~4発

北朝鮮が「核攻撃」警告の2日後に巡航ミサイル3~4発

Posted July. 24, 2023 08:25,   

Updated July. 24, 2023 08:25

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北朝鮮が22日未明、西海(ソへ・黄海)上に「北朝鮮版トマホーク」と推定される長距離巡航ミサイルを数発、発射した。米軍の戦略原子力潜水艦「ケンタッキー」(SSBN-773)の釜山(プサン)港入港が核兵器使用条件に該当すると警告した2日後だ。19日未明にも「北朝鮮版イスカンダル(KN-23)」と推定される短距離弾道ミサイル(SRBM)を東海(トンへ・日本海)に発射しており、再び未明の時間帯を選んで奇襲的な核挑発に出たと、軍は見ている。北朝鮮が「戦勝節」と主張する休戦協定日(27日)に大規模な軍事パレードを行う兆候も捉えられ、韓米当局が注視している。

● 韓国と在日米軍を狙った核攻撃テストをした模様

23日、軍によると、22日午前4時頃、北朝鮮の内陸地域から西海上に数発の巡航ミサイルが発射された。韓米当局は、衛星や早期警報統制機などに捉えられた詳細な飛行諸元を分析している。軍消息筋は、「『北朝鮮版トマホーク』と呼ばれるファサル1または2を3~4発ほど発射したとみられる」と話した。北朝鮮は今年3月22日、咸鏡南道咸興(ハムギョンプクト・ハムフン)付近で模型核弾頭を搭載したファサル1と2を2発ずつ計4発発射し、600メートルの「超低高度」上空で空中爆発させる実験をしたと主張した。また、東海に設定された1500キロと1800キロの距離を楕円および「8字型」軌道に沿って飛翔した後、目標に命中したと明らかにした。

今回も同じ方式のテストを行った可能性がある。巡航ミサイルの飛行速度は音速(時速約1224キロ)には及ばないが、数十から数百メートルの超低高度で軌道を変えて飛翔し、レーダーなどで探知・追跡が難しい。ファサル1・2の射程距離(最大2千キロ)には韓国と日本全域が含まれる。軍当局者は、「韓半島全域と米増援戦力が配備された在韓米軍基地をいつでも核で攻撃できるという警告」と指摘した。

19日にKN-23を平壌順安(ピョンアン・スンアン)からケンタッキーが入港した釜山南区海軍作戦基地までの射程に合わせて東海に発射したのに続き、巡航ミサイルまで武力示威に動員したのは、ミサイルの種類に関係なく、戦術核で米国の拡大抑止戦力を攻撃できると警告する狙いがあるとみられる。

軍関係者は、「北朝鮮のカン・スンナム国防相が20日、SSBNの寄港など米戦略兵器の展開の増大が『核兵器の使用条件』に該当すると警告した直後に、巡航ミサイルで韓国内の主要標的や在韓米軍基地などに対する同時多発的な核攻撃テストを行ったとみられる」と話した。

韓米核協議グループ(NCG)発足やSSBN入港など米韓の拡大抑止の強化に対抗して、北朝鮮は挑発を続けるものと予想される。軍は、戦勝節(27日)を前後して核武力の高度化をアピールする追加挑発や武力示威を行う可能性が高いと見て、監視態勢に万全を期している。

● 大型浮き橋の設置など、軍事パレードが迫っている兆候

このような中、21日(現地時間)、米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、平壌の金日成(キム・イルソン)広場前と大同江(テドンガン)の対岸をつなぐ大型の浮き橋2本が設置された様子が、民間衛星が20日に撮影した写真で確認された。北朝鮮は昨年4月と今年2月にも、軍事パレードの1週間前に同じ位置に大型の浮き橋を設置したことがある。浮き橋には、爆竹や照明施設などが設置されたと、VOAは伝えた。

韓米は、戦勝節記念軍事パレードが迫っている兆候と見ている。北朝鮮は、今年2月の建軍節75年軍事パレードで固体燃料大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)18」を初めて公開しており、今回の軍事パレードでも新たな戦略兵器を登場させるか注目される。北朝鮮は節目の年(5、10年単位で区切られる年)の軍事パレードで、核・ミサイルの高度化をアピールする新兵器を公開してきた。


尹相虎 ysh1005@donga.com