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大統領室とホワイトハウスが初の「核の傘」共同訓練実施

大統領室とホワイトハウスが初の「核の傘」共同訓練実施

Posted May. 24, 2023 08:41,   

Updated May. 24, 2023 08:41

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大統領室と米ホワイトハウスが先月のワシントンでの韓米首脳会談前に政府レベルの「核の傘」運用シミュレーション(TTS)訓練を実施したことが分かった。北朝鮮の段階別核挑発シナリオを想定した「核の傘」対応訓練を韓米軍当局間ではなく、両国の最上位組織が主導して実施したのは初めて。先月の韓米首脳会談で導き出された拡大抑止(核の傘)強化案である「ワシントン宣言」で導入を明記したTTSを、韓米が会談前に実際に稼働させたのだ。

23日、東亜(トンア)日報の取材を総合すると、大統領室とホワイトハウスが主導した政府レベルの「核の傘」運用訓練は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の訪米前に行われた。大統領室からはイム・ギフン国防秘書官が代表として訓練に参加したという。TTSは、核の脅威・核使用の差し迫り・核使用など、北朝鮮の段階別核挑発シナリオを想定し、韓米政府関係者がそれに応じて具体的な手順と方法を話し合い、シミュレーションする訓練だ。

「ワシントン宣言」には、「韓米同盟は、核有事の計画に対する共同のアプローチを強化するために、両国間の新たな政府レベルのシミュレーションを導入した」という文言が明記された。政府関係者は、「韓国に提供する拡大抑止の実行力と具体性を高める次元」と話した。韓米はこのような議論のための核協議グループ(NCG)の創設に合意し、運営を準備している。

これに先立ち、韓米軍当局は昨年11月に開かれた安保協議会議(SCM)を通じて、文在寅(ムン・ジェイン)政権下で2度しか実施されなかった軍当局間の「核の傘」運用演習(TTX)を定例化することで合意した。その後、今年2月に韓米国防部がワシントンでTTXを実施した。

韓米首脳会談前に行われた今回のTTSは、「核の傘」提供の方式と手続きを議論する従来の軍当局間のTTXより参加主体のレベルが高く、対応範囲が政府次元に拡大され、米国の拡大抑止提供過程に韓米がより緊密に対応できるようになると評価されている。政府消息筋は、「政府レベルの演習であるため、実戦状況を想定したのと同じだ」とし、「TTXより実戦訓練に近いシミュレーション訓練だと言える」と話した。

また、政府関係者は、「北朝鮮の核能力が高度化していることを考慮し、軍当局だけでなく、複数の関係機関の演習が続くだろう」と伝えた。これにより、米国の「核の傘」の提供に関する韓米間の情報共有・危機時の協議・共同企画・共同実行などで韓国の参加を拡大するための政府レベルの訓練が今後さらに強化される見通しだ。


申圭鎭 newjin@donga.com · 孫孝珠 hjson@donga.com