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米国債に裏切られたSVB、「金融安全地帯はない」という教訓

米国債に裏切られたSVB、「金融安全地帯はない」という教訓

Posted March. 15, 2023 08:15,   

Updated March. 15, 2023 08:15

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世界金融市場を衝撃に追い込んだ米シリコンバレー銀行(SVB)の閉鎖の余震が続いている。米政府がSVBの預金を全額保障すると早期の鎮火に乗り出したが、不安感は収まっていない。中小銀行の連続的な破たんと取りつけ騒ぎなどの懸念が続き、金融市場が動揺している。短期間で終わるイシューではないため、当分変動性は大きくならざるを得ないものと見られる。

懸念していた「黒い月曜日」を避けて一息ついた韓国の株式市場は、一日が過ぎた前日遅れて動揺した。コスピは2.56%、コスダック指数は3.91%下落し、今年に入って最も下げ幅が大きかった。アジア証券市場も軒並み下落し、為替相場も乱高下した。グローバル投資家らは、米国債や金のような安全資産に急いで移動している。10日、SVBの閉鎖後、わずか2日でグローバル金融株の時価総額が4650億ドル(約600兆ウォン)蒸発した。

今回の事態は、世界で最も安全だという米国国債に投資したことが原因だったという点で波紋がさらに大きかった。不良資産が引き金となった2008年の金融危機とは異なる様子だ。SVBは、低金利の時期に超優良安全資産である米国の長期国債などに資産の半分以上を大量に投資した。ところが予想より急激に金利が上がり、債権価格が急落して大きな損失を被り、顧客の預金引き出しの要求に耐えられない水準に達した。金融において、絶対的な安全地帯はないという教訓を与えたのだ。

国内金融機関の資産・負債構造はSVBとは異なり、流動性も良好だと安心できない理由もこのためだ。SVBは米国債に足を引っ張られたとすれば、国内金融界には不動産プロジェクトファイナンス(PF)という爆弾がある。昨年末の不動産PFの残高は116兆6000億ウォンに達し、融資残高の74%が保険・証券などノンバンクに集中している。貯蓄銀行の場合、リスクの高い事業所に融資した割合が30%もある。

今回の事態は、金融市場の変化で過去に慣れている方法では危機に対応できないことを示した。強力な金融緊縮で累積した金融の脆弱性が、いつどのように飛び出すか予測しにくい。モバイルバンキングが触発した「超高速の取りつけ騒ぎ」が示すように、金融当局がしばらくよそ見をしても、失期しかねない。金融システムを綿密に調べながら、少しでも異常兆候が現れれば、先制的に措置を取らなければならない。「ファンダメンタル(基礎体力)には問題がない」と自信を示し、破局を迎えた通貨危機の経験が生々しい。絶対油断してはいけない。