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「ヒトラーを打倒せよ」天上で鳴り響くように…「白バラ」最後の生存者死去

「ヒトラーを打倒せよ」天上で鳴り響くように…「白バラ」最後の生存者死去

Posted March. 13, 2023 08:24,   

Updated March. 13, 2023 08:24

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第2次世界大戦当時、ドイツのナチス政権に対して展開した非暴力抵抗運動「白バラ」の最後の生存者、トラウテ・ラフレンツさん(写真)が6日(現地時間)、死去した。103歳だった。11日、米紙ワシントン・ポストなどによると、ラフレンツさんが米サウスカロライナ州の自宅で息を引き取ったと、遺族が明らかにした。死因は明らかになっていない。

白バラは1942年にハンス・ショルとゾフィー・ショル兄妹ら若い学生を中心に結成され、ナチス政権の犯罪を暴露するチラシを配布し、グラフィティ(公共の場所の壁に描いた絵や落書き)を残す方法でナチスに抵抗した。白バラが当時配布したチラシには、「ユダヤ人虐殺は人類史上類を見ない犯罪」、「ヒトラーを打倒せよ」などと書かれていた。当時、医学生だったラフレンツさんは、インクや紙、封筒などの道具を確保し、ミュンヘンのある書店で密かにチラシをコピーする役割を担った。

しかし、1943年2月、ショル兄妹が大学のキャンパスでチラシを配っているところを学校警備員に発見され、秘密警察であるゲシュタポに逮捕されたことで、白バラの活動は止まった。ナチスは捕らえた白バラの指導部を逮捕から4日後に斬首するなど過酷な弾圧を行った。当時、ヒトラーがギロチン処刑の再開を命じ、ドイツで5千人以上が裁判もなく斬首刑で命を落とした。

ラフレンツさんも秘密警察に2度逮捕されて服役するなど、ドイツが敗戦するまでナチスの執拗な監視を受けた。ラフレンツさんは戦後、1947年に米国に移住し、医学の勉強を終えた。眼科医のバーノン・ペイジさんと結婚し、4人の子をもうけた。米国で20年以上にわたり特殊学校の校長を務め、認知学の分野でも長く活躍した。

2019年5月、ラフレンツさんが100歳の誕生日を迎えた時、ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領はラフレンツさんに功労勲章を授与した。シュタインマイヤー氏は、「ラフレンさんツは独裁とユダヤ人虐殺に抵抗する勇気を持った数少ない人物の一人」とし、「自由と人類愛の英雄」と評価した。


イ・チェワン記者 chaewani@donga.com