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北朝鮮が軍事パレードで「核世襲」幻覚ショー、飢えた人民に幻滅を与えるだけだ

北朝鮮が軍事パレードで「核世襲」幻覚ショー、飢えた人民に幻滅を与えるだけだ

Posted February. 10, 2023 08:56,   

Updated February. 10, 2023 08:56

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8日の朝鮮人民軍創建(建軍節)75年に合わせて平壌(ピョンヤン)の金日成(キム・イルソン)広場で開催された夜間軍事パレードに、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と戦術核運用部隊が登場した。固体燃料エンジンを使用した新型ICBMと推定される中長距離ミサイルも確認された。北朝鮮メディアは、「我が国最大の核攻撃能力の誇示」と宣伝した。金正恩(キム・ジョンウン)総書記は祖父の金日成主席を連想させる中折れ帽とコート姿で軍事パレードに姿を現し、「尊敬するお子様」の娘と夫人、李雪主(リ・ソルジュ)氏も同伴した。

今回の軍事パレードは、核武装と4代世襲を組み合わせた21世紀の専制君主体制の構築を宣伝する巨大なショーだった。スポットライトの中、各種部隊の行進と群衆が作り出した文字、ジェット機のエアショーといった華やかな見どころとともに、「万能の宝剣」である各種戦略・戦術核兵器を披露し、好戦的なメッセージを発信した。昨年を通じて様々な形の挑発で軍事的緊張を高めてきた北朝鮮は、偵察衛星の打ち上げと7回目の核実験を控えている。今回の武力示威を通じて、今後対南、対米対決局面を続けていく考えを改めて明らかにしたのだ。

また、金正恩氏は、自分の娘を主席団の上席に座らせ、金氏政権が世襲することを既成事実とする効果まで狙った。娘が後継者に決まったと見るのは時期尚早だが、誰であれ金家の後を継ぐという明確なメッセージを内外に投げかけたのだ。すでにICBMの発射実験の現場など核ミサイル開発の宣伝の場に娘を同行させている。前日の建軍節記念宴会で娘を真ん中に座らせ、「革命1世の魂と使命は、5世、6世に至った今日も変わらない」とし、「脈々と続く偉大な継承」を強調したのもそのような脈絡だろう。

このような核武装の誇示と世襲の正当化のための金正恩氏の舞台演出の裏側には、飢えた住民の苦痛と不満がいつ爆発するか分からない時限爆弾のように残っている。金正恩政権は統治資金と核開発費用を調達するために仮想通貨のハッキングなどあらゆる手段を動員しているが、肝心の住民の食料問題は解決できていない。最近では、生活水準が高いと言われた開城(ケソン)でも一日に数十人が餓死しているというニュースが伝えられている。華やかなショーは一時的に住民の目を奪うことはできても、空腹を満たすことはできない。幻覚の後に来るのは幻滅と絶望、そして離反だ。