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中国が今日からディープフェイク技術を規制、世界初

中国が今日からディープフェイク技術を規制、世界初

Posted January. 10, 2023 08:45,   

Updated January. 10, 2023 08:45

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中国が、世界主要国の中では初めて「ディープフェイク」技術を規制する。

8日、米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)は、中国国家インターネット情報弁公室(CAC)が10日から、「インターネット情報サービスのディープ合成管理規定」を施行すると報じた。人工知能(AI)技術を利用して、人物写真や映像、オーディオを合成するディープフェイク技術で虚偽情報を広めたり、犯罪などに利用することを防ぐという趣旨だ。この数年間、ディープフェイク技術の悪意的な使用にともなう被害が相次ぎ、国内外でこれをめぐる規制の議論が盛んにおこなわれている。

WSJによると、この規定は、代表的に「偽ニュース」や経済および国家安保を乱すと予想される情報拡散のためにAIが作り出したコンテンツの使用を禁止する。ディープフェイク技術を使ってコンテンツを作る時は、コンテンツに「ディープフェイク技術が使われた」という事実を示さなければならず、原本を追跡できるよう、デジタル表示(ウォーターマーク)を入れるようにした。ディープフェイク技術で誰かがイメージや声を合成して編集しようとする時は、当事者の同意を得なければならない。また、マスコミの報道でディープフェイク技術を使う時は、政府が承認したメディアの原本だけを活用できるようにした。

WSJは、規制の範囲が非常に広く、規定の適用可否を巡り規制当局が恣意的に解釈する余地を与えると指摘した。米コンサルティング会社・オルブライト・ストーンブリッジの技術政策責任者のポール・トリオロ氏は米CNBC放送とのインタビューで、「中国は反体制世論を防ぐために熱心だ」と分析した。この規定で、ソーシャルメディアなどでディープフェイク技術を活用して政府政策を風刺したり、批判したりする行為を規制できるという話だ。

ただ、トリオロ氏は、「新技術が誘発する問題の解決のために、他国で行わなかった措置が中国で試みられている」とし、前向きな側面もあると話した。米国では、ディープフェイク規制の試みは、言論の自由を侵害する恐れのため進展を見せていない。欧州連合(EU)では、プラットフォーム企業に対し、ディープフェイク技術の虚偽情報の拡散能力を緩和する方法を探すよう強く勧告するだけで、中国のように最初から禁止はしていない。ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアは最近、ディープフェイクを活用した虚偽情報を選り分ける規定を導入した。


イ・チョンア記者 clearlee@donga.com