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新政権初期から南北膠着、北朝鮮「尹氏は相手にしない」大統領室「孤立を自ら招く」

新政権初期から南北膠着、北朝鮮「尹氏は相手にしない」大統領室「孤立を自ら招く」

Posted August. 20, 2022 08:47,   

Updated August. 20, 2022 08:47

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北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の対北朝鮮ロードマップである「大胆な構想」に対して「愚かさの極致」、「荒唐無稽な発言」などと非難し、冷え切った南北関係がさらに膠着する可能性が指摘されている。特に、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹で、事実上の韓国担当の金与正氏が9回も尹大統領の実名まで挙げて「尹錫悦という人間そのものが嫌いだ」などと直撃弾を浴びせると、韓国政府では「線を越えた」という反応が出ている。大統領室も直ちに「大変遺憾」と不快感を示した。

ただし一部では、北朝鮮が「大胆な構想」に触れて反応を見せたこと自体が、南北関係の劇的な反転を期待できるシグナルと見ることができるという評価もある。政府関係者は、「北朝鮮が『大胆な構想』に細かく反論したことは、それだけ詳細に分析したという意味」とし「このように非難を強めたのには、交渉に先立って身代金をできるだけ吊り上げようという狙いがあるのかもしれない」と話した。

●金与正氏「『大胆な構想』、『非核・開放3000』の複写版」

金与正氏は「大胆な構想」について、「大洋を乾かして桑畑をつくるということ」と断じた。特に李明博(イ・ミョンバク)政権時代の対北朝鮮政策である「非核・開放3000」まで取り上げ、「同族対決の産物として捨てられた『非核・開放3000』の複写版」と切り捨てた。また、「『北朝鮮が非核化措置を取る』 という仮定から誤っている」とし、7回目の核実験など核開発強行の意思も明らかにした。

「大胆な構想」を「溢れ出るほどの無知」と罵倒した金与正氏は、尹大統領に対して「今日は大胆な構想を云々し、明日は北侵戦争演習を強行する破廉恥な人間」と非難した。また「犬は母犬も子犬も見境なく吠えるものだが、大統領という者も違いがない」などと皮肉った。さらに、「ただでさえ経済と民生がめちゃくちゃで、いつ追い出されるかわからない不安の中にいながら、いつ誰の『経済』と『民生』の改善を云々する余裕があるのか」と声を高めた。

北朝鮮が、尹大統領への露骨な個人攻撃までして「大胆な構想」に対して事実上の拒否の意思を示すと、政府は「遺憾」を表明して対抗した。大統領室は、「北朝鮮が大統領の実名を挙げ、非礼な言葉を続け、韓国の『大胆な構想』を歪曲し、核開発の意思を表明したことは大変遺憾だ」と明らかにした。権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官と外交部も「遺憾」の立場を明らかにした。与党「国民の力」は論評で、「『大胆な構想』は3代続けて暴圧で政権を維持する金正恩政権ではなく、北朝鮮住民の人間らしい生活のための提案」とし、「北朝鮮が対話に出てくれば、平和の扉は大胆に開く」と述べた。

●北朝鮮、挑発を強める模様・・・劇的な対話局面反転の可能性も

北朝鮮が尹政権が苦慮の末に出した対北朝鮮政策に拒否の意思を示したことから、当分の間、緊張は高まる可能性がある。北朝鮮は尹大統領就任100日の17日に巡航ミサイル2発を発射して挑発を再開しており、今後弾道ミサイルや核実験など挑発を強めるという観測も流れている。特に、22日から韓米合同軍事演習が始まるため、北朝鮮がこれを大義名分に挑発に乗り出す可能性もある。

ただし、北朝鮮がこれまで交渉局面に入る直前に交渉力を極大化するために緊張を最大値に引き上げた前例が多いことから、今回も劇的な対話の手続きに入るという期待もある。与党所属で北朝鮮外交官出身の太永浩(テ・ヨンホ)議員は同日、「(北朝鮮の)尹錫悦政府『手なずけ作戦』が始まったようだ」としながらも、「『私はあなたが嫌い』と公開的に叫ぶことは、相手に関心があるということだ」と述べた。また、「金大中(キム・デジュン)大統領の『太陽政策』が初めて出た時も、北朝鮮は頑なに拒否した」と付け加えた。


申晋宇 niceshin@donga.com · 洪壽英 gaea@donga.com