トランプ前米大統領が退任時に、ホワイトハウスの主要な機密文書を南部フロリダ州にある別荘「マール・ア・ラーゴ」に持ち出したことが確認されたと、米紙ニューヨーク・タイムズなどが18日付で報じた。法により退任前の昨年1月にこれらの文書を米国立公文書記録管理局に提出しなければならなかったが、そうせずに持ち出したということだ。ここには、米朝非核化交渉で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記と交わした親書も含まれているという。
国立公文書記録管理局は同日、下院の監視・政府改革委員会に送った書簡で、「トランプ前大統領が退任する時、15箱分のホワイトハウスの記録をマール・ア・ラーゴに持ち出した。その中に最高機密と表示された文書も含まれていた」と明らかにした。このような行為は、大統領記録法、米連邦法に違反しており、司法省と対応を議論していることも明らかにした。
トランプ氏が持ち出した物品には、執権中に各国首脳から受け取った記念品、プレゼント、手紙などもあった。オバマ元大統領が後任のトランプ氏のためにホワイトハウス大統領執務室(オーバル・オフィス)に残した手紙、別名「ラブレター」と呼ばれる正恩氏の親書も含まれた。CNNなどによると、ニューヨーク・タイムズのマギー・ハバーマン記者は、10月に発売予定のトランプ氏関連の著書で、トランプ氏が側近に自身が退任後も正恩氏と接触している唯一の外国指導者だと話したと書いた。
トランプ氏は在任中、記録物を管理せず、批判を受けてきた。政治専門紙「ザ・ヒル」は10日、トランプ氏がよく重要文書を破ってホワイトハウス内のトイレの便器に捨てたと暴露した。
退任直前の昨年1月6日、トランプ氏の支持者が2020年の大統領選の結果に従わず、米連邦議会議事堂を占拠した事件に関する各種文書と通信記録物も、多くが毀損されたという。これも深刻な連邦法違反という指摘を受けている。
李恩澤 nabi@donga.com