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「統合の選挙」強調した文大統領は厳正な中立から守るべきだ

「統合の選挙」強調した文大統領は厳正な中立から守るべきだ

Posted January. 04, 2022 08:09,   

Updated January. 04, 2022 08:09

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、昨日の新年のあいさつで、3月9日に実施される大統領選挙について、「国の未来を左右する選挙だ」とし、「敵対と憎悪と分裂ではなく、国民の希望を込める統合選挙になればと思う」と述べた。今回の大統領選挙が未来への統合の場になることを望むが、文大統領の言葉が空しく聞こえる理由は、政権交代と政権延長などで国民の世論が割れているのが現状だからだ。政権期間中に、未来と統合のような前向きなエネルギーよりも、過去には敵味方の区別などの否定的なエネルギーのほうが猛威を振るっていたためだ。

文大統領が大統領選挙の年の最後の新年のあいさつで、「大統領選挙における厳正中立」の意志を明らかにしなかったことも残念だ。政権勢力が政権再創出を望むこと自体を否定することはできないが、法と常識を越える行動につながってはならない。過去の政権も、不公正問題や官権選挙を巡るトラブルに巻き込まれないために、それなりに気をつかった姿勢を見せてきた。現政権は、露骨にあらゆる政策手段を動員しようとする様子だ。

政府与党が、住宅価格の高騰による総合不動産税や財産税などの税金負担を減らすため、1世帯1住宅者は保有税を課す時、1年前の公示価格を適用する案を検討することにしたのが端的な例だ。電気料金とガス料金を第1四半期には据え置いて、大統領選挙直後に引き上げることにしたのも見せかけの小細工と言わざるを得ない。また、自営業者と小商工人55万カ所に対し、損失補償金500万ウォンを大統領選挙前の1月末に先に支給後、事後精算することにした。

与党の重鎮議員を法務長官や行政安全部長官などの選挙主務長官に最後まで座らせることも、納得がいかない。過去の政権では前例がない。両長官を含め、黄熙(ファン・ヒ)文化体育観光部長官など、現役議員の長官が6人もいる。朴範界(パク・ボムゲ)法務長官は、選挙法違反者に対して厳しく対処すると明らかにしたが、いざ本人は、ドイツモーターズの株価操作疑惑事件など最大野党「国民の力」の尹錫悅(ユン・ソクヨル)候補家族関連の捜査と、与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補がかかわった「大庄洞(テジャンドン)」捜査などではガイドラインを示すような偏った発言を頻繁に行った。

選管が、与党の公約開発を支援した容疑で政府省庁次官二人を検察に捜査依頼した後、文大統領は「大統領府と政府は徹底して政治的中立を守れ」と指示したことがある。空言に終わらないためには、文大統領から厳正中立の意志を固く示さなければならない。大統領選挙の主務長官2人を早く辞任させ、次官が長官代行をすることが、最小限の中立意志を示す第一歩となるだろう。