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与党、「言論懲罰法」を迫る強硬支持層を越えなければ

与党、「言論懲罰法」を迫る強硬支持層を越えなければ

Posted August. 30, 2021 08:54,   

Updated August. 30, 2021 08:54

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国会議長と与野党の院内代表は29日、言論仲裁法改正案の処理の方向をめぐって緊急会合を開いた。与党「共に民主党」指導部が30日に改正案強行処理を予告した状況で、最終の意見調整をするためだった。「共に民主党」内部でも「言論懲罰法」という批判を受ける改正案の問題点を指摘する声が大きくなっているが、党指導部は強行処理の方針を固守している。これに対抗して、保守系最大野党「国民の力」はフィリバスター(議事妨害)に出るなど強く反発する計画であり、9月定期国会は極限対立に突き進む見通しだ。

改正案に対しては外信記者も懸念している。27日の「共に民主党」メディア革新特別委員会と外信記者団の懇談会では、「国内外の報道機関99%が反対するのに強行する理由が何か」、「フェイクニュースは1人のメディアによって多く発生するのではないか」という苦言が溢れた。政府・与党の立法不備も明るみになった。主務省庁の文化体育観光部が、外信は改正案の適用対象ではないと公示したにもかかわらず、メディア特別委の金容民(キム・ヨンミン)委員長は、「外国メディアも当然、改正案の適用対象」と話し、混乱ぶりを露呈したのだ。政府・与党が、改正案の強行処理に没頭する余り、当然するべき事前調整が十分にできていない証拠だ。

国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が24日、言論仲裁法改正案の撤回を求める声明を出すと、「共に民主党」の宋永吉(ソン・ヨンギル)代表は「韓国の事情をどうして分かるだろうか。何も分かっていない」と反論した。しかし、世界新聞協会CEOは「世界の言論の専門家たちを過小評価した」とし、「改正案は韓国の国際的名声を傷つける」と批判した。政権与党の代表が、国際ジャーナリスト組織と言い争うとは大人げない態度だ。さらに政府・与党はこれまで「アジアで言論の自由度が最も高い国」と広報する時は、RSFが発表する世界言論自由度の指数を引用してきた。その一方で、RSFの批判は黙過できないとするのは、典型的なダブルスタンダードと言わざるをえない。 

与党内部でも改正案に対する慎重論が浮上しているのは、国内の言論団体だけでなく国際社会のこのような懸念と批判を意識したからだろう。表現・言論の自由は特定の政権、特定の政派が思い通りにできない国民の基本権だ。与党が改正案の強行処理を迫る親文強硬支持層だけを見て政治工学にしがみついている時ではない。