Go to contents

高齢層の「労働希望」が1000万人…、政府は手をこまねいて傍観するつもりか

高齢層の「労働希望」が1000万人…、政府は手をこまねいて傍観するつもりか

Posted July. 28, 2021 08:59,   

Updated July. 28, 2021 08:59

한국어

「将来働きたい」という高齢層が初めて1000万人を超えた。統計庁によると、55〜79歳の国民1476万人のうち68%の1005万人が将来労働を希望した。1年前より43万人が増えた数字だが、平均73歳まで働くことを望んだ。しかし、高齢層の半分は失業者であり、働いても単純労務職や公共臨時職が中心となっている。彼らの貧困層への転落を防ぎ、むしろ労働力として積極的に活用する対策が急がれる。

高齢層が主に仕事を辞める年齢は、平均49.3歳だった。50歳になる前に働き口を失い、低賃金の働き口に追い込まれていることになる。高齢層10人に6人は、生活苦のため労働を希望した。彼らの雇用問題を解決できなければ、経済協力開発機構(OECD)の加盟諸国のうち、「老人貧困率1位」という不名誉をぬぐい切れない。

15歳以上の人口の3人に1人は高齢層だが、この割合は日増しに高くなっている。彼らを失業者として放置すれば、人口減少とあいまって、労働力不足や成長減速へとつながりかねない。高齢層の雇用率は56%と、2005年に統計を取り始めて以来最も高いが、雇用の質は落ちている。就業者の約7割が付加価値の低い公共雇用や農林漁業、卸小売・宿泊飲食業などに携わっている。専門性を生かし、再教育を通じて付加価値の高い仕事をすることができるよう、政策的な裏付けが必要だ。

労働界では定年の延長をとりあげている。しかし、企業の負担は増大し、若者失業を悪化させる懸念が少なくない。韓国経営者総協会(経総)によると、定年を65歳に延長すれば、企業が負担する追加費用が年間14兆ウォンを越える。専門家たちは、労働の柔軟性を高めることが優先だと指摘する。年功序列中心の賃金体系と硬直した雇用構造を変えてこそ、雇用期間を延ばすことができるという意味だ。

人口政策タスクフォース(TF)を稼働している政府は今月初め、「高齢者継続雇用」は議論の課題ではないと釘を刺した。青年層の反発を意識したためと見られる。政府が手をこまねいる間、高齢層は貧困に追い込まれ、生産可能人口は減っている。政府は、青年と高齢層の雇用対立がないように雇用柔軟性を高め、再教育と雇用延長など高齢層の雇用環境全般を時代の流れに合わせて整えなければならない。