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[オピニオン]トランプ氏の危機、米共和党の没落

[オピニオン]トランプ氏の危機、米共和党の没落

Posted October. 11, 2016 07:57,   

Updated October. 11, 2016 07:58

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舌打ちし、悪態をつきながらもチャンネルを回すことができないのが非現実的なドラマだ。どんな反転があるのかと最後までハラハラする。11月8日の米大統領選がそうだ。歴代の大統領候補とは大いに異なる共和党候補のドナルド・トランプ氏があきれた言動と資質論議で世界の耳目を集めているが、なぜ米国の政治がこうまで戯画化されたのか残念がる人が多い。9日(現地時間)、ランプ氏と民主党候補のヒラリー・クリントン氏の2回目のテレビ討論会も、「わい談」動画が公開されて窮地に追い込まれたトランプ氏の釈明が観戦ポイントだった。

◆トランプ氏は、物議をかもしたことに謝罪しながらも、「ロッカールーム発言」だったと主張した。更衣室で気兼ねなく交わした雑談だったということだ。そして、自分は話だけで終わったが、クリントン氏の夫ビル・クリントン元大統領は行動で女性に恥をかかせたとし、過去のスキャンダルを蒸し返した。これに対してクリントン氏は、「向こうが低く出るなら、こちらは高く」というファーストレディ、ミッシェル氏の助言を想起させる節制した対応でやり過ごした。夫もスキャンダルの前歴があるため、泥仕合をしてみても得にならないと考えたようだ。

◆リンカーン元大統領が奴隷制度を廃止した修正憲法第13条の通過のために議会を説得したことに対しても、両候補は衝突した。クリントン氏が「大統領のリーダーシップを見せた立派な事例」と称賛すると、トランプ氏は「リンカーンは嘘をついたことがない。その点があなたとの大きな違いだ」と攻撃した。クリントン氏がメール問題について嘘をついたことを皮肉る意図だが、トランプ氏が正直さの象徴であり共和党の象徴であるリンカーンを取り上げる資格があるのか分からない。

◆トランプ氏が1回目のテレビ討論会の時よりは善戦したといっても、共和党ではわい談波紋に衝撃を受けた政治家たちが支持を撤回したり、候補辞退を求めたりしている。ただでさえトランプ氏は小さな政府、自由貿易、国家・教会・家族共同体の統合と維持など共和党が伝統的に重視する価値に反対する行動を取った。共に墜落することを悩む共和党だけでなく米国の保守主義陣営にもトランプ氏は災となっている。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員eligius@donga.com



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com