Go to contents

[オピニオン]開いた本のような国立世宗図書館

[オピニオン]開いた本のような国立世宗図書館

Posted November. 09, 2013 03:19,   

한국어

フランス・パリのセーヌ川の辺にあるミッテラン国立図書館。本を90度の角度に開いたような4つのビルが四方の角にあり、誰が見ても図書館だと分かる。20階建のガラスの建物の名称は時間、法律、文字、数字。決して破壊できない人間の知識を象徴する。1988年、ミッテラン大統領が世界最大の立派な現代式図書館を建設すると約束し、7年かけて建てられた。文化大国フランスのプライドがにじみ出るここはパリの観光名所になった。

◆世界初の図書館は、紀元前3世紀のアレクサンドリア図書館だ。多くの戦争で数回焼失したこの図書館は、2002年に再建された。地中海に向かって16度に傾いた白い円盤型の屋根は日時計を、建物の一部が水に浸かるようにしたのは、海から太陽が浮ぶ場面を形象化した。丸い花崗岩の外壁には、ハングルを含め世界の約120の文字が刻まれている。ユネスコの助成で建てられたこの壮厳で美しい図書館は、人類文明に対する献辞に相違ない。

◆韓国にも、これらの建物に匹敵する図書館が12月12日に開館する。行政中心複合都市である世宗(セジョン)市に建てられた国立世宗図書館だ。開いた本の両サイドが上に少し反った外観と長く縦に配置されたガラス窓が、まだクレーンの音で騒々しい世宗市に文化的な感性を吹き込んでいる。湖公園を背景にしたこの建物は、その異色な3次元的姿で早くも世宗市のランドマークになっている。

◆国立世宗図書館は、ソウル瑞草区(ソチョク)にある国立中央図書館の地方分院だ。世宗市の特性に合わせて、公務員の政策樹立を支援する政策図書館を目指すが、子ども図書館の運営や図書の貸し出しなど、世宗市民のための公共図書館の役割も一部行なう。図書館は人間の知性を象徴する特別な空間だ。しかし、建物がすばらしければ立派な図書館というわけではない。建物の品格に合った蔵書を備え、人々が集まってこそ生きた図書館になる。図書館も人の足音を聞いて成長する。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com