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[オピニオン]中1試験廃止論

Posted November. 14, 2012 08:34,   

親御さんは子供が小さいとき、自分の子供は天才だと思いがちだ。何であんなに話し方も上手で、数字もよく読めるのか不思議でならない。幼稚園を出て、小学校に入れば、親御さんたちは、世界が広いことに少し気づくようになる。自分の子供のように、利口な子供らが結構いるような気がする。それでも、うちの子は英才ぐらいにはなると思う。学校生活記録簿には、点数も席次も書かれておらず、担任先生は、「よい言葉」だけを記し、親たちが勘違いしても無理はない。

◆成績表らしい成績表は、中1の中間試験のときに始めて手にする。全校トップからびりまでの席次がずらりと並んだ成績表を見て、多くの母親たちは気を失わんばかりになる。中1の成績表を受けとるまえに、牛黄清心丸でも飲むように、というアドバイスがあるほどだから。そのときになってようやく、両親は、自分の子が極めで平凡な子であることに気づく。小学校の時、「よくやった」というほめ言葉だけを聴かされてきた子供が抱える失望や衝撃も大きい。母親たちが、子供らに向かって勉強するようにと小言をいい、あちらこちらの塾に駆けずり回りながら、あせるのもこのときになってからだ。

◆ソウル市教育監選挙に、保守陣営候補として立候補した文龍鱗(ムン・ヨンリン)元教育部長官の中1試験廃止公約が議論を呼んでいる。文候補は、中学1年を、「進路探索の1年」と位置づけ、特技や適性、職業体験に重点的に当たらせると明らかにした。さらに、中1の中間・期末試験を段階的に廃止させるという公約を打ち出した。一部では、子供らの学習負担を減らし、進路探索のできるよい政策だと歓迎するが、全国教職員労働組合の政策と似ている公約を、どうして保守陣営の候補が掲げたのかと、批判する声も出ている。文候補についてよく知らないからだろう。

◆文候補は以前から、「知能指数(IQ)と学習能力とはなんら関係がない」として、子供らに、学科の勉強ばかりでなく、自分ならではの才能を見つけるべきだと主張してきた。文氏は、人間にはさまざまな知能があり、全ての子供が同じやり方で学ぶことはできないと主張してきた、米バーバード大学のハワード・ガードナー教授の「多重知能理論」を翻訳した。オリンピック・フィギュアスケートの金メダリスト・金姸兒(キム・ヨナ)が競泳をしていたら、昨今の成功を成し遂げることはできなかっただろう。ピアニストのソン・ヨルウムが、美術をしても同じだ。子供たちはそれなりに才能があり、それを探すことが大事だ。しかし、中1ではなく中2に成績表が出ても、母親たちのため息はなくならないだろう。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com