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物価は高騰し、所得は減り・・・後退する韓国経済

物価は高騰し、所得は減り・・・後退する韓国経済

Posted June. 03, 2008 03:36,   

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先月の消費者物価は、約7年ぶりにもっとも大幅な値上げを記録した。国民が実際使える金はかえって減少した。急速な内需萎縮で経済成長率は下半期へ向かうほど下がっていくものと見られ、物価高の中で成長率は下がるスタグフレーション(stagflation)が懸念される。幸いなことに貿易収支は6ヵ月ぶりの黒字を示したものの、対米輸出が減少するなど、韓国経済の支えとなっている輸出も依然として不安なのが現状だ。

2日、統計庁が発表した「消費者物価動向」によれば、5月の消費者物価は昨年同月より4.9%値上がりした。このような物価上昇率は01年6月(5.0%)以来6年11ヵ月ぶりでもっとも高い水準だ。

今年に入っての物価上昇率は、△1月=3.9%、△2月=3.6%、△3月=3.9%と、3%台後半に止まっていたが、4月に4.1%を記録した後、上昇の幅が大きくなっており、物価当局を不安にさせている。

最近、物価が高騰したのは、原油や金、小麦などの国際原材料価格の上昇幅が1ヵ月ほど時差を置いて国内物価に反映されているためだ。

実際、先月のガソリンや軽油、灯油などの石油類の価格は、昨年5月に比べて25.3%値上がりした。これを受け、5月の物価上昇率4.9%のうち1.43%ポイントは石油類の価格の上昇によるものであると統計庁は説明した。

政府が価格を集中的に管理する52の生活必需品のうち28品目の価格が4月より上がったことが分かった。豚肉の価格は11.4%上がり、洗濯石鹸などの洗剤の価格が7.4%値上がりするなど、庶民生活に直接的な影響を及ぼす品目の上昇の幅が大きかった。

また、韓国銀行では同日、原油高で実質的な貿易損失が大幅に増え、第1四半期の実質的な国民総所得(GNI)が、昨年第4四半期より1.2%減少したと明らかにした。03年第1四半期(−1.6%)以来もっとも大きく減ったことになる。

実質所得の減少は、輸入品の価格は高騰する一方、輸出品の価格はその分だけ値上がりせず、第1四半期の実質貿易の損失額は27兆4000億ウォンで、四半期基準で史上最高値を記録したことによるものだ。

消費者の購買力が低下し、内需がGDP成長に貢献する比重はー0.1%ポイントに止まった。輸出と共に経済成長の柱のひとつである内需が、逆に経済成長率を押しとどめたわけだ。

一方、先月の貿易収支は10億4000万ドルの黒字(暫定数値)を記録し、昨年11月以後6ヵ月ぶりに黒字へと転じた。知識経済部によれば、5月の輸出は昨年同月比27.2%増の394億9000万ドル、輸入は28.8%増の384億5000万ドルだった。

李斗遠(イ・ドゥウォン)延世(ヨンセ)大学経済学部教授は、「今のマクロ経済の状況を総合すれば、ウォン高政策で輸入物価の上昇幅を減らし、軽油など庶民生活と直結する品目の税金を引き下げる政策が求められる」と話した。