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「スーパーマンが救ってくれた」 住民救った8人の登山家

「スーパーマンが救ってくれた」 住民救った8人の登山家

Posted July. 18, 2006 03:27,   

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住民たちは彼らを「英雄」と呼んだ。彼らは照れくさそうに顔を赤くした。

「救助能力のある人なら誰でもそうしただろう」という言葉だけを残して去ってしまう「英雄たち」に、住民たちは熱い拍手を送った。

すべては瞬く間に起こった。15日午前10時頃、江原道麟蹄郡北面寒溪3里(カンウォンド・インジェグン・プンミョン・ハンゲ3リ)に向かって、高さ3mのとてつもなく大きい波が押し寄せた。海でなく山頂から押し寄せた波は、家屋40軒あまりをあっという間に飲み込んだ。

住民の李ガングクさん(61)は、「くらっと目まいがした。瞬間、水が首まで上がった」と、当時の緊迫した状況を伝えた。李さんは荷作りする間もなく、夫人のソン・ギョンミンさん(56)の手を取って、水の流れをかきわけながらすぐ隣にある町内会館の屋上に上がった。そこには、先に待避した村の住民4人がいた。

「こうして死ぬのだろうか」

住民たちはすべてを諦め、空を見上げるばかりだった。

その時、英雄たちがあらわれた。金セジュンさん(37・エクストリームライダー登山学校講師)など専門登山家8人が、水の流れを遡って町内会館の屋上に上って来た。金さんらは、7年余り前に知り合った村の住民チョン・ジュンギョさん(49)の家に泊まり、9月の中国山行に備えトレーニングをしていた。

金さんらは、素早く山岳用ロープを取り出し、町内会館より高地帯にある民宿の屋根にロープを投げた。屋上にいた家主はロープを受け、しっかり固定した。住民たちは登山家たちに付いて民宿に移動した。住民たちが皆移動してから1〜2分後、町内会館が崩れ落ちた。

「生と死がこのようにあっという間に決まるとは…」

「私たちが一緒に渡りますから、安心してください」

登山家たちは住民たちを安心させながら、1時間あまりかけて、全員を無事に安全な民宿に移した。これで終わったと思ったら、この民宿から30mあまり離れた別の家屋の屋上で、住民15人が救助を求めて手を振った。

登山家たちはまたロープをかけた。最初の民宿に再び渡った後、幅10mあまりの水をくぐって、住民15人を安全な高地帯の民宿に救出した。4時間を越えた死闘。全身から力が抜けた。

ゆでたジャガイモなどで軽く腹ごしらえをした後、夕方、泊まっていた民宿から数百m離れた森で、住民3人が救助を要請する姿が遠くに見えた。しばらくためらったが、暗闇の中なので犠牲者が出るか心配で、救助は翌日にすることにした。

翌日午前8時、金さんらは敏速に動いた。2時間あまりで、ペク・トンヒョン(72)、ムン・ヨンシル(58・女)夫婦と、ペクさんのお姉さんのヒョンジュさん(74)が救われた。一晩中寒さと飢えに苦しんだため、脱力状態だった。登山家たちは、「救助が遅れて申し訳ない」と言った。

ペク・トンヒョンさんは涙を流した。ペクさん家族は前日、急流に襲われ、30〜40mも流されたが、電柱につかまり、九死に一生を得た。

登山家たちは雨がやんで水が抜けた17日午前、住民55人を連れて、廃墟と化した寒溪3里を歩いて出てきた。続いて、119救助隊が寒溪3里に入って、孤立していた残りの住民40人あまりを救助した。住民たちは誰もが食事でももてなすと登山家たちを引き止めたが、彼らは急いで荷作りをした。

金さんは住民たちに、「私たちが持っている技術と体力が意味深いことに使われ、むしろ感謝したいだけだ」と返した。

「エクストリームライダー登山学校」と「開かれたキャンプ登山学校」出身の8人の登山家たちは、自分たちが乗ってきた車4台が全部水に流されたため、大衆交通でソウルに向かった。



zeitung@donga.com