Go to contents

[オピニオン]W杯を前に顔を立てる工夫をする政府省庁

[オピニオン]W杯を前に顔を立てる工夫をする政府省庁

Posted May. 20, 2006 03:00,   

スペイン・サッカー代表チームはドイツW杯を控えて、米国出身の心理治療士を雇用した。FIFAランキング5位の強豪だが、妙なことにW杯本大会に出場するといつも成績が振るわないからだ。1950年のブラジル大会でベスト4に上がったのがこれまでの最高成績だ。引き続く不振に選手らも「敗北ウィルス」に感染したように、自信を失っている。スペインサッカー協会は、選手たちの能力が足りないためではなく、心理的なことに原因があると見て、専門家を呼んだものだ。

◆高校の運動選手の中で、全国大会で優勝した経験のある選手とそうでない選手は目つきから違うという。ほぼ同等の実力の選手同士が対決すると、集中力が強くて自信に満ちている方が勝つ確立が高い。「勝ち方」を知る知らないの違いだ。国力が強くなるにつれ、韓国スポーツの弱点だった選手たちの体力面もずいぶん良くなった。知識情報化時代であるため、技術も簡単に得られる。残るのは精神力と心理状態だ。冥想はもう全ての種目の重要なトレーニングプログラムの一つに定着した。

◆選手は試合を控えて「中間」ぐらいのストレスを維持しなければならないという。緊張感が薄れても試合に勝てないし、過度なストレスが溜まっていても実力を発揮できないということだ。韓国のW杯代表選手も同じであるはずだ。国民の期待があまりにも高くて、試合日が近づくにつれ、ものすごい負担を感じているだろう。これに世界最高の舞台で晴れ姿を見せたい選手本人の成就欲求も彼らを圧迫している。このような状況で選手らの「ストレス管理」がもっとも重要な課題の一つだ。

◆一部の政府省庁が「長官が今回W杯を見に行くのだが、代表選手たちに会わせてくれ」、「代表チームのドイツの宿舎に韓国広報ブースを設置するから、費用の半分を持ってくれ」などの要求で、サッカー協会を困らせているという。何も支援したことのないくせに、今になって顔を立てる工夫ばかりしているようだが、これによって、選手たちのストレスが高まるのではないか心配だ。「手助けしなくても良いから、放っておいてくれ」というサッカー協会の訴えに耳を傾けてほしいものだ。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員chansik@donga.com