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浪漫もしくは漫画…映画『百万長者の初恋』

浪漫もしくは漫画…映画『百万長者の初恋』

Posted February. 09, 2006 04:30,   

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金テギュン監督とは誰か。「12歳以上観覧可」の映画で抜群の実力を発揮する人物だ。『ファサン高』で青春の感性表現に対する腕を磨いた彼は、04年『オオカミの誘惑』で成功を収めた。既成世代は「幼稚だ」という反応だったが、10代観客の熱烈な呼応で250万人の観客を動員する大当たりを記録した。そのような金監督が再び10代を露骨に狙った映画『百万長者の初恋』を出した。勝手な人生を送ってきた財閥3世(ヒョン・ビン扮)が江原道(カンウォンド)の片田舎で出会った不治の病に侵されている少女ウンファン(李ヨンヒ扮)と本当の恋をすることになるというストーリー。男性青春スターと演技派の新人女優をカップルに結んだ点と、不治の病を使って涙腺を刺激する戦略は『オオカミの誘惑』に似ている。

この映画を一言で裁断するのは不可能だ。10代の感受性を浪漫・恋・永遠というキーワードで描く金監督の映画は、見る人の感性年齢によって180度違う評価が出るからだ。これ以上なくロマンチックで胸が痛くなるかも知れないし、見ていられないほど幼稚で非現実的に感じられるかも知れないのだ。

まず、この映画に夢中になったある10代の少女の感性の中に入ってみると…。

「あ、素敵!ヒョン・ビン。財布から何枚かの小切手を取り出して、疲れたように投げるその姿。お爺さんの遺言に従って、数千億ウォンの財産を相続するために、田舎の高校生活を耐えなければならない彼の姿は、しばらく平民の人生を楽しんでみる王子様の姿みたい。ヒョン・ビンは『私の名は金サムスン(ドラマ)』で扮した『サムシクイ』役よりお金ももっと多くて、もっと生意気で、胸ももっと熱いの。アップグレードしたサムシクイっていう感じ。彼が死に掛かっているウンファンと同棲しながら、手枕をしてあげたり、面倒をみるシーンは、愛する人と二人だけの空間で幸せに暮したい私の夢とまったく同じなの。ヒョン・ビンがウンファンに投げかける台詞は、一言一句が心を鳴らす歌なのよ。彼が『お前と一緒にいると、夜も昼みたいだ。お前が余りにも明るくて…』とウンファンにささやいた時は、息が止まるかと思ったわ。ヒョン・ビンがウンファンの白い足の上に靴下を履かせてやるシーンでは、シンデレラにガラスの靴を履かせてあげる王子様の姿がオーバーラップしたの。私が映画の中のウンファンなら、どれほど嬉しいことか」。

次ぎに、映画を見た瞬間から不満に満ちたある30代の男性の心の中に入ってみると…。

「タイトルから漫画だ。恋のため、数千億ウォンを諦めるなんて、話にならんぞ。それに時となく雨が降り注いだり、ボタン雪が降ったりで…。幼稚な台詞はまた何だ。『幸せすぎて、私、地獄に行きそう』(ウンファン)までは我慢する。しかし、ヒョン・ビンが『キスする時にどうして目を閉じるか知ってる?それは相手が余りにも眩しいからだよ』と言いながらキスするシーンでは、吐き気がしたんだ。いくらドラマの『パリの恋人』と『プラハの恋人』の作家がシナリオを書いたとは言え、過度に非現実的な『王子ストーリー』じゃないか。ヒョン・ビンがハンサムなのは認めるよ。しかし、『…金サムスン』とどこが違うんだ。それにこの映画にはストーリーというものがない。中盤以後は無条件泣かせようとばかりしている。バラード歌詞のような台詞を何度も繰り返しながら、観客に涙を強要しているではないか。これが新派じゃなくて、何が新派なのか。この映画で一つだけ気に入るところがあるとしたら、ウンファン役で出る李ヨンヒという女優だ。映画に初めて出演する新人みたいだが、演技はヒョン・ビン顔負けに上手いね。にっこりと笑う姿が一見清純なようで、老練な味が隠れていて一品だ。ああ、自分が10代に戻ることができたら…」。

9日封切り、12歳以上観覧可。



sjda@donga.com